
WordPressのSEO対策では、検索エンジンがページを正しく読み込める状態になっていなければ、いくら良質な記事を書いても評価されません。
まずは土台となる設定を整え、ユーザーの目的に合うページを作成し、公開後のデータをもとに改善を繰り返すことが大切です。
ここでは、SEOプラグインを活用して、サイト全体と各ページごとの情報を適切に管理する方法を解説します。
WordPressのSEO対策で最初に整える基本設定

記事を増やす前に、クロール(※)を妨げる設定がないかを確認し、サイト内のURLや検索結果へ伝える情報を統一しておきましょう。
用語メモ
検索エンジンのプログラム(クローラー)がインターネット上のウェブサイトを巡回し、ページの内容や情報を読み込んで収集すること
管理画面で主に確認するのは、「検索エンジンへの表示状態」と「公開済みページのURLを変更する必要があるか」の2点です。
ただし、すでに運用中のサイトでURLを変更すると、リンク切れの原因になります。
新規サイトを立ち上げるときのように安易に設定を変えないよう注意してください。
設定内容だけでなく、実際の表示まで確かめることで、安心して記事作成に進める土台が整います。
以下では、最初に行うべき基本設定の具体的な手順を解説します。
SEOプラグインを導入して基本項目を設定する
SEOプラグインを使うと、検索結果に表示するタイトルやメタディスクリプションをWordPressの管理画面から簡単に設定できます。
XMLサイトマップ(※)やcanonicalタグ(※)などもまとめて管理できるため、テーマやコードを直接編集する手間を減らせるのが大きなメリットです。
用語メモ
検索エンジンに対して、サイト内のページ構造や新しい記事のURLなどの情報を効率よく伝えるための「サイトの地図」となるファイルのこと
サイト内に同じ内容(または非常に似た内容)のページが複数存在する場合に、「どのURLが正規のページか」を検索エンジンに伝えるためのHTMLタグのこと
代表的な選択肢としては、世界的な定番である「All in One SEO」と「Yoast SEO」の2つが挙げられます。

どちらも基本的なSEO設定には対応しているため、必要な機能と管理画面の使いやすさを基準に、どちらか1つを選びましょう。
それぞれの特徴は以下の通りです。
| プラグイン | 向いている使い方 | 主な機能 |
| All in One SEO | 初期設定からサイト全体のSEO管理までまとめて進めたい | タイトル・メタ設定、XMLサイトマップ、インデックス設定、構造化データ |
| Yoast SEO | 記事を編集しながらSEO上の改善点も確かめたい | タイトル・メタ設定、XMLサイトマップ、canonicalタグ、記事のSEO分析 |
SEOプラグインを導入した後は、最初に以下の項目を設定します。
プラグインの初期設定画面を開き、検索結果に表示されるタイトルの基本形式(例:「記事のタイトル|サイト名」など)をあらかじめ設定しておきます。
プラグインのサイトマップ設定から、検索エンジンに読み込ませたい「投稿」や「固定ページ」がサイトマップの出力対象(オン)になっているかを確認します。
タグ一覧や作成者ページなど、検索結果に出す必要のないページ群をプラグインの管理画面から「noindex(インデックスしない)」に指定します。
日々の記事作成では、投稿画面の下部に追加されるプラグイン専用の入力欄を使い、その記事の内容に合わせたタイトルと要約文(メタディスクリプション)を入力して公開します。
プラグインが自動生成したサイトマップのURL(例:sitemap.xml など)をコピーし、Google Search Consoleの「サイトマップ」メニュー画面から送信します。
なお、同じ役割のSEOプラグインを複数同時に有効化すると、メタタグやXMLサイトマップが重複して出力されるおそれがあります。
基本的には1つだけを使用し、ご利用中のテーマや別のプラグインが同じ機能を出力していないかもあわせて確かめておきましょう。
検索エンジンへの表示設定とXMLサイトマップを整える
サイトを公開する段階では、検索結果への表示をブロックする設定を解除し、検索エンジンへ送信するXMLサイトマップを決定しましょう。
WordPressには標準でサイトマップを生成する機能が備わっています。
SEOプラグインを使って独自のサイトマップを作る場合は、検索エンジンに送信する方のサイトマップを開き、以下の手順で公開したいページが正しく含まれているかを確認してください。
WordPress管理画面の「設定」>「表示設定」を開き、「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」のチェックを外します
ブラウザのURL入力欄で、自身のサイトURLの末尾に /wp-sitemap.xml を追加してアクセスする
検索エンジンに伝えるサイトマップURLを特定し、ブラウザで実際に開きます
表示されているURLやコードの羅列などのサイトマップ画面を確認する
公開対象となる投稿や固定ページのURLが正しく出力されているかを確かめます
Google Search Consoleの「サイトマップ」メニューを開く
「新しいサイトマップの追加」に手順2で確認した末尾「/wp-sitemap.xml」のURLを入力して送信し、ステータスが「成功しました」となって読み込みエラーが出ていなければ作業完了です
検索エンジン向けのインデックス拒否設定を解除してサイトマップを送信しても、ページが直ちに検索結果へ表示されるとは限りません。
もしサイトマップが正しく読み込まれない場合は、サイトマップURLの応答ステータスや、WordPress本体・プラグインの生成設定に問題がないかを調べる必要があります。
エラーを解消し、検索エンジンがスムーズに巡回できる状態を整えておきましょう。
パーマリンクとURLの形式を統一する
新規サイトを立ち上げる際は、後からの変更によるリンク切れやSEO評価のリセットを防ぐため、記事を公開する前にパーマリンク構造(※)を決定します。
用語メモ
ウェブサイトの各ページにどんなURLを付けるかを決めるルールのこと
一方、すでに公開済みのサイトで設定を見直す場合は、現在のURLを維持できるかを先に判断してください。
既存記事のURLを後から一括で変更してしまうと、外部からのリンクや検索結果から旧URLへアクセスしたユーザーがページを開けなくなってしまうためです。
現在のサイトの状態に合わせて、以下を基準に対応を進めましょう。
| サイトの状態 | 行う作業 | 変更後に確認する状態 |
| 公開前の新規サイト | 「投稿名」を含むシンプルなパーマリンク構造を選び、記事ごとのスラッグ(※)の付け方を統一する | 同じ規則で投稿URLが生成されているか |
| 公開済みで現在のURLに問題がないサイト | 現在のパーマリンク構造を維持し、新しい記事からスラッグの表記をそろえる | 既存ページのURLが変わっていないか |
| 公開済みでURL変更が必要なサイト | 旧URLから新URLへのリダイレクト(転送)を用意し、内部リンクも新URLへ修正する | 旧URLにアクセスした際、対応する新URLへ正しく移動できるか |
用語メモ
URLの最後に自分でつける、その記事専用の短い名前(英単語)のこと。ページの主題を識別できる短い英単語の表記にするのが基本

パーマリンクの設定手順は以下です。
SEOの観点からは「投稿名」などのシンプルな構造が推奨されています
URLの基本的なルールが整ったら、次は検索結果に表示させるための情報をSEOプラグインで設定します。
SEOプラグインでタイトルやメタタグを設定する
SEOプラグインは一つに絞り、サイト全体の基本設定とページごとの個別設定を分けて管理してください。
同じ役割を持つプラグインを併用すると、タイトルタグやメタタグが重複して出力される原因になります。
検索結果へ伝える情報は、主に以下の項目ごとに設定を進めましょう。
→ 投稿名やサイト名をどの順番で表示するかを決める
→ ページの主題と検索意図が一致する表現に編集する
→ そのページで扱う中心的な内容を、自然な文章で記載する
→ 検索結果へ表示させたいページだけを対象にする
→ 同じ内容へ複数のURLでアクセスできるときに正規URLを指定する
→ 有効にする場合は、検索エンジンへ送信するサイトマップURLを決める
設定を保存した後は、対象ページのHTMLソースを確認し、タイトルタグやメタタグが重複して出力されていないかを確認します。
管理画面上で正しく入力されていても、使用しているテーマや別のプラグインが同じ種類のタグを出力している場合は、設定の競合を解消しなければなりません。
意図したタグが1つだけ出力される状態に整え、検索エンジンへ正確な情報を伝えましょう。
検索意図に合う記事とページを作る

検索意図に合うページを作るには、読者が「検索を通じて何を解決したいのか」という問いをもとに内容を決める必要があります。
まずは、1つのページで扱う問いと、それに対する回答の範囲を明確に絞り込むことから始めましょう。
決めた主題に沿ってタイトルから本文までを構成し、関連するページを適切につなげることで、ユーザーが求める情報へ迷わずたどり着けるサイトに仕上がります。
以下で、検索意図を満たすための具体的な手順を解説します。
キーワードから検索意図と記事の主題を絞る
「狙うキーワード」は、ユーザーが知りたいことや達成したい目的を、1つの主題に絞り込むための重要な手掛かりです。
キーワードに含まれる対象と目的を整理し、まずは「この記事でどの問いに答えるか」を明確に決めましょう。
記事の主題は、以下の手順で絞り込んでいきます。
まずは選んだキーワードの組み合わせを見て、「どんな人が」「何について」知りたいのかを具体的に設定します。
ユーザーがそのキーワードを検索して「最終的にどうなりたいのか」を予想します。ただ知識を得たいのか、手順を見ながら作業したいのか、商品を比較して選びたいのかを考えます。
自身の閲覧履歴の影響をなくすため、ブラウザを「シークレットモード」にして実際に検索します。上位10記事のタイトルや見出しをチェックし、「どのサイトも必ず書いている項目(=検索エンジンが評価している必須情報)」をメモしましょう。
洗い出した共通点の中から、ユーザーがページを開いて一番最初に知りたい「メインの問い」をたった1つだけ選び、それをこの記事の主題として設定します。
メインの問いに直接関係のない関連情報の記載は、読者が迷う原因になります。そのような情報は削り、別の新しい記事として作成してから内部リンクで繋ぐようにしましょう。
複数の検索意図を1つの記事へ詰め込んでしまうと、タイトルで示した主題と実際の本文が答えている範囲にズレが生じてしまいます。
ページごとに中心となる問いを1つだけ定め、その問いへ直接答える内容だけを残して、読者が迷わない分かりやすい記事に仕上げましょう。
SEOキーワード選定のポイントについては下記で詳しく紹介しています。

タイトル・見出し・本文の内容をそろえる
タイトルに含めた内容が本文になかったり、本文の途中で別の話題へ逸れてしまったりすると、読者は期待した情報を得られません。
各項目で主題をそろえるためのポイントと、よくあるズレの例は以下の通りです。
| 箇所 | 主題とのそろえ方 | ズレが生じている状態 |
| タイトル | 検索意図とページ内で答える範囲を明示する | 本文にない内容まで含めてしまっている |
| 見出し | タイトルの問いに答えるために必要な論点を配置する | 主題と関係の弱い論点や、同じ内容が並んでいる |
| 本文 | 各見出しが示す問いに対して、結論から回答する | 見出しの言い換えや、一般論だけで終わっている |
既存のページ内容を修正する際は、タイトルだけを変更するのではなく、見出しと本文も含めて「ページ全体が同じ問いに答えているか」を見直してください。
内部リンクは、読者が現在のページを読んだあとに「次に必要となる情報」へスムーズに進める位置に配置します。
一方カテゴリは、共通する主題の記事をまとめる分類として機能します。
関連性の弱いページを機械的につなぐのではなく、現在の記事を補足するページや、読者の次の行動につながるページを厳選しましょう。

内部リンクとカテゴリを適切に設定するための具体的なポイントは以下の通りです。
記事同士のつながりを適切に整理することで、ユーザーが求める情報へ迷わずたどり着けるようになり、検索エンジンにもサイト全体の構造が正しく伝わります。
コンテンツの信頼性を高める

記事内で何かを主張する際は、読者が自ら根拠をたどって情報の確かさを検証できる形で提示することが重要です。
事実と意見を明確に分け、発信者の責任や根拠が不明な箇所を残さないようにしましょう。
公開前に不足している情報をしっかりと補うことで、読者自身が「この記事は信頼できる」と正しく判断できるようになります。
この章では、著者・運営者情報の明示や主張の根拠となる参照先の示し方、独自情報を記事へ反映させるための具体的なポイントを解説します。
著者と運営者の情報を明確にする
誰が記事を作成し、誰がサイトを運営しているのかを、ページ上で明示しましょう。
著者と運営者が異なる場合は、両者の役割がはっきりと分かるように情報を分けて掲載してください。
著者情報や運営者情報を記載する際の具体的なポイントは以下の通りです。
→ 著者名と担当分野を表示する
→ 記事テーマに関係する経歴や保有資格を掲載する
→ 運営主体を識別できる名称と連絡方法を記載する
→ 企業などの組織が運営する場合は、事業内容も記載する
→ 執筆、編集、監修を別の担当者が行う場合は、各担当者の役割を明確に示す
→ プロフィールから、その人が書いた担当記事の一覧へ移動できるようにする
これらの情報を正しく提示することで、読者に安心感を与えるとともに、検索エンジンに対してもサイトの専門性や透明性をアピールできます。
主張の根拠と参照先を示す
記事内で何かを主張する際は、読者がいつでも元の情報源へ戻って確認できる形で根拠を示すことが重要です。
引用する根拠の種類に応じて、本文へ記載する条件と適切な参照先を使い分けましょう。
根拠の種類ごとの具体的な記載内容と、優先すべき参照先は以下の通りです。
| 根拠の種類 | 本文に記載する内容 | 優先する参照先 |
| 調査結果や統計 | 調査時期、対象範囲、数値の意味 | 調査を実施、または公表した組織の資料(一次資料) |
| 制度やルール | 適用対象、条件、施行時期 | 制度を所管する機関の公開資料 |
| 商品やサービスの仕様 | 対象プラン、利用条件、情報の更新時点 | 提供元(公式サイトなど)が公開している案内 |
| 他者の発言や文章 | 発言者、掲載箇所、引用する範囲 | その発言や文章が最初に掲載された資料 |
参照先の情報よりも飛躍した広い結論を本文へ加えてしまうと、主張と根拠が対応しなくなってしまいます。
結論は根拠から直接判断できる範囲に絞り、推測や独自の意見を交える場合は、客観的な事実としっかりと分けて記載するようにしてください。
実務経験や独自の情報を記事へ反映する
独自情報(一次情報)を記事に盛り込む際は、実際に自分が行った作業と、その結果を明確に分けて示すことが大切です。
読者が「自分の環境でも再現できるか」を正しく判断できるよう、実務で得た情報を順番に整理して伝えましょう。
独自情報を記事にまとめる際の具体的な手順・ポイントは以下の通りです。
結果だけを記載するのではなく、どの条件で何を行ったのかまで具体的に示すことで、読者は自分のサイトへ適用できる情報かどうかを正しく見分けることができます。
実施条件によって得られる結果は大きく変わるため、個別の経験を「すべてのWordPressサイトに共通する絶対的な結論」として断定しないように注意してください。
構造化データでページの内容を検索エンジンへ伝える

構造化データ(※)を設定する際は、検索結果で目立たせることだけを目的とするのではなく、ページの主題や実際の表示内容に合った種類のみを実装することが大切です。
用語メモ
検索エンジンに「このページには何が書かれているか」を正確に理解してもらうために、情報をルールに沿って整理したデータ形式のこと
実装時には、同じ対象の記述がテーマやプラグインなどの複数の機能から重複して出力されていないかを確認し、公開後はエラーの有無と検索エンジン側の認識状態を分けてチェックしましょう。
種類の選択から実装後の検証までを順序立てて行えば、残すべき必要な出力と修正すべき箇所をスムーズに切り分けることができます。
以降では、ページに合う構造化データの選び方から重複出力を防ぐ手順、公開後のエラー検証方法までを具体的に解説します。
ページに合う構造化データを選ぶ
構造化データを選ぶ際の基準は、「ユーザーがページ上で実際に読める情報」と「ページの主題」が一致しているかどうかです。
検索結果での見え方から逆算して無理に設定するのではなく、ページ内で実際に説明・提供している内容に合わせて適切な種類を選びましょう。
代表的な構造化データの種類と、それぞれの対象となるページ・選ぶ条件は以下の通りです。
| 構造化データの種類 | 対象となるページ | 選ぶ条件 |
| Article | 解説記事 | ブログ投稿以外の記事(一般的な解説やニュースなど)として公開している |
| BlogPosting | ブログ投稿 | ブログ内の個別投稿として公開している |
| Product | 個別の商品ページ | 特定の商品を主題とし、名称や提供条件(価格など)を掲載している |
| LocalBusiness | 実店舗の案内ページ | 店舗名、所在地、連絡先などをページ上で案内している |
| BreadcrumbList | 階層を示すリンクがあるページ | 現在のページまでの位置関係をパンくずリストで示している |
なお、パンくずリスト(BreadcrumbList)のようにサイトの階層を補足する種類は、ページの主題を示す他の種類(ArticleやProductなど)と併用することが可能です。
複数の種類を組み合わせて使う場合でも、「構造化データとして記述する内容」と「実際の画面上に表示されている情報」にズレがないよう、必ず一致させるようにしてください。
テーマやプラグインによる重複出力を防ぐ
構造化データの重複を防ぐには、テーマやプラグインなど、どの機能からデータを出力するかを一つに決めることが重要です。
WordPressでは、テーマの変更やSEOプラグインの追加によって出力元が意図せず増えてしまうケースが多いため、まずは既存の記述状況を調べてから設定を進めましょう。
重複出力を確認し、適切に解消するための具体的な手順は以下の通りです。
Googleが提供する「リッチリザルトテスト」に調べたいページのURLを入力し、検出された構造化データの種類と数を確認します。HTMLソースを直接確認するよりも簡単で確実です。
テスト結果の画面を確認し、「記事(Article)」といったまったく同じ項目が複数回検出されていないかを確認します。重複がある場合、検索エンジンへ正しい情報が伝わらないため修正が必要です。
多くの場合、「ご利用中のWordPressテーマ」と「SEOプラグイン(All in One SEOなど)」の両方で、構造化データの出力設定が有効になっていることが原因です。それぞれの設定画面を開き、該当する設定箇所を探します。
構造化データの出力は「1つのサイトにつき1つの機能に絞る」のが鉄則です。テーマ側かプラグイン側、どちらの出力機能を利用するかを決定し、使わない方の設定項目からチェックを外して保存します。
設定変更後は、サイトやサーバーのキャッシュを削除してから、再度リッチリザルトテストでURLを調べます。重複していた項目が1つだけに整理されていれば、修正作業は完了です。
もし出力元を自力で判別できない場合や、テーマファイルの直接的なコード編集が必要になる場合は、無理に作業を進めないように注意してください。
サイトの表示に不具合を起こさないよう、必ず変更前の状態をバックアップとして保存したうえで、サイトの管理者や開発担当者へ調査・対応を依頼しましょう。
公開後にエラーと認識状態を調べる
公開後は、ページ上に実装された構造化データなどの記述自体のテストと、Googleが巡回した後の認識状態の確認を、分けて行います。
実装直後のテストが正常でも、検索エンジンが更新後のページをまだクロールしていなければ、実際の検索結果や認識結果には反映されません。
状態の確認から修正にかけては、目的に応じて以下のツールを使い分けます。
| 調べる状態 | 使用するツールや機能 | 結果に応じた対応 |
| 公開URLの構文と必要項目 | リッチリザルトテスト | エラーがあれば該当する記述を修正し、同じURLで再テストする |
| Googleによる巡回とインデックス | Google Search Consoleの「URL検査」 | 更新後のページが取得されているかを確認し、未取得なら公開状態を調べる |
| サイト内で認識された項目 | Google Search Consoleの「構造化データに関するレポート」 | エラーがあれば影響を受けるURLを絞り込み、共通する出力元を調べる |
ただし、ツールで有効と判定された構造化データであっても、実際の検索結果でのリッチリザルトが必ず保証されるわけではありません。
エラーを修正した際は、まず公開URLの再テストを済ませ、その後Googleが更新後のページを再取得したのを確認してから、改めて認識状態を見直してください。
WordPressサイトの技術面を改善する

技術面のSEO対策は、実際に問題が生じているURLと原因候補を具体的に絞り込んでから行います。
変更による影響範囲を把握するため、サイト全体の問題なのか、特定ページだけの問題なのかを切り分けて進めるのが基本です。
また、修正作業の後は実際の表示や検索エンジンの認識状態まで確かめ、次に対応すべき箇所を見極めていきましょう。
ここでは、表示速度の見直しやスマホでの操作性改善、重複URLを防ぐ設定など、技術面の具体的な改善手順について解説します。
表示速度とCore Web Vitalsを見直す
表示速度を改善する際、まずはGoogleが提供する無料の診断ツール「PageSpeed Insights」で計測する方が多いかもしれません。
しかし、サイトの状態をこのツールの総合スコアの高さだけで判断するのは避けましょう。
まずはGoogle Search Consoleの「Core Web Vitals」レポートを確認し、実利用データに基づき問題が生じているページ群を特定します。
その上で、PageSpeed Insightsを使って代表的なURLを診断し、具体的な原因候補を探りましょう。
Core Web Vitalsレポートの確認手順は以下です。
対象となるサイト(プロパティ)を選択して、Search Consoleの管理画面を開きます。
左側のナビゲーションメニューを下へスクロールし、「エクスペリエンス」という項目を探します。
メニュー内の「ウェブに関する主な指標」をクリックします。
※日本語版では「Core Web Vitals」は「ウェブに関する主な指標」と表記されています。
画面に「モバイル」と「PC」のグラフが表示されます。
それぞれの右上にある「レポートを開く」をクリックすると、「不良」「改善が必要」「良好」に分類された具体的なURLや、遅延の原因(LCPの問題など)を詳しく確認できます。
PageSpeed Insightsで確認すべき主要な指標と、問題が生じた際に最初に調べるべき箇所は以下の通りです。
| 指標 | ユーザーに起きる問題 | 最初に調べる箇所 |
| LCP | ページの主要な内容が表示されるまで時間がかかる | メイン画像、サーバーの応答、読み込みを妨げるCSS |
| INP | クリックや入力に対する反応が遅れる | JavaScript、プラグインの処理、操作時に実行される機能 |
| CLS | 読み込み中に文字やボタンの位置がずれる | 画像のサイズ指定、後から挿入される内容、Webフォント |
診断結果において一つの指標が悪いからといって、直ちに原因を特定できるわけではありません。
該当するURLで原因候補を調査し、効果を正確に測定するため、一度に変更する対象を絞り込んで対応してください。
修正を実施し、キャッシュをクリアした後は、以下の手順で改善状況を確認します。
変更後の実利用データがGoogle Search Consoleへ反映された段階で、対象ページ群のCore Web Vitalsのスコアが修正前と比較して改善したかを評価します。
修正前と同じURL・端末条件で再度診断を行い、まずは修正内容がスコアや実際の表示に正しく反映されているかを確かめます。

スマホでの表示と操作性を整える
スマホ対応では、画面幅に正しく収まるかだけでなく、指で迷わずスムーズに操作できるかも重要な確認対象です。
レスポンシブデザインのテーマを使用していても、表や画像の個別設定によっては意図しない横スクロールが発生することがあります。
実際の画面では、具体的に以下のポイントをチェックしましょう。
WordPressのプレビュー機能だけでは、ブラウザ固有の表示崩れや、実際の入力時の操作感を見落としがちです。
変更後は必ず実際のスマートフォンで主要ページを開き、表示と操作の両方を確かめてください。
重複URLや不要なインデックスを防ぐ
重複するURLや、検索結果に表示させる必要のないページについては、それぞれの役割に応じて設定を適切に使い分けます。
まずは基準となる「正規URL」を決定し、その他のURLをユーザーが閲覧できる状態で残すかどうかを整理することが基本です。
具体的な状況ごとの対応方法と、設定後に確認すべき状態は以下の表を参考にしてください。
| ページやURLの状態 | 適した対応 | 実施後に見る状態 |
| URL表記だけが異なる同一ページ | 正規URLへリダイレクトする | 別のURLへアクセスしても正規URLが表示される |
| 内容が同じで公開を続けるページ | canonicalで代表URLを指定する | 検索エンジンが選んだ正規URLと指定内容が一致する |
| サイト内検索結果や内容の薄い一覧ページ | 検索流入が不要ならnoindexを設定する | 再クロール後にインデックス対象から外れている |
| 削除または統合した旧ページ | 対応するページがあればリダイレクトする | 旧URLから関連性のある移動先が開く |
なお、「カテゴリー」や「タグ」の一覧ページだからといって、無条件にすべてをnoindexにする必要はありません。
関連ページを探す入り口として独自の情報を掲載している場合は、インデックス対象として残しましょう。
各設定を終えた後は、Google Search Consoleの「URL検査」ツールを使用し、再クロール後に正規URLやインデックス状態が意図通りに反映されているかを確かめてください。
SEO対策の効果を測定して改善を続ける

SEO対策の効果検証は、「検索結果上での変化」と「サイト流入後のユーザー行動」の2段階に分けて測定します。
効果を正確に測るためには、対象となるURLや検索語句、比較する期間などの条件をそろえて検証することが大切です。
数値の上がり下がりだけで原因を判断するのではなく、データから「次にどこを改善すべきか」を見つけ出すことが重要です。
ここでは、Google Search ConsoleとGoogleアナリティクスを用いた具体的な測定方法と、変更前後の数値を比較して次の改善内容を決める手順について解説します。
Google Search Consoleで検索順位とクリック状況を調べる
検索順位やクリック状況を調べる際は、Google Search Consoleを使って「どんな検索語句(クエリ)で、どのページ(URL)が表示されたか」をセットで確認します。
比較する対象期間を設定し、サイト全体の平均データではなく、変更を加えたURLごとの推移を見ることが基本です。
分析時に確認する主な指標の意味と、併せて見るべき対象の例は以下です。
| 指標 | 数値から分かること | 併せて見る対象 |
| 表示回数 | Googleの検索結果にページが表示された回数 | 検索語句、平均掲載順位 |
| クリック数 | 検索結果からページがクリックされた回数 | 表示回数、CTR |
| CTR | 表示回数のうちクリックにつながった割合 | 平均掲載順位、表示された検索語句 |
| 平均掲載順位 | 対象期間における検索結果上の平均的な位置 | 検索語句別、ページ別の数値 |
平均掲載順位や表示回数が上がったからといって、検索流入(実際のアクセス)が増えたとは判断できません。
データは検索語句とURLの組み合わせまでしっかりと絞り込み、ユーザーの検索意図ごとにクリック数やクリック率がどう変化したかを総合的に確認していきましょう。
Googleアナリティクスで検索流入後の行動を調べる
検索流入後の評価は、Googleアナリティクスを使い、自然検索から訪れたセッションをランディングページ単位に絞り込んで行います。
ただし、Google Search Consoleのクリック数とは集計条件が根本的に異なるため、両者の件数が完全に一致する前提で扱わないように注意しましょう。
Googleアナリティクスでは、具体的に以下の指標を確認して各ページの状態を読み解きます。
ランディングページ別の数値から、自然検索で閲覧が始まったページを特定する
流入後にすぐ離脱されず、しっかり読み進められているページを見分ける
検索流入が、設定済みの成果行動(お問い合わせなどのキーイベント)へつながっているかを調べる
スマホとパソコンで、ユーザーの行動に大きな差が出ているページがないかを絞り込む
これらの指標を確認し、もし「流入が増えているのにキーイベントにつながっていない」場合は、複数の原因が考えられます。
記事の内容自体がユーザーの期待とずれているのか、次の行動へ促す導線が分かりにくいのか、あるいはそもそも集客している検索語句が成果につながりにくいキーワードなのかなど、様々な視点から要因を切り分けて調べていきましょう。
変更前後の数値を比べて改善内容を決める
Google Search Consoleを使った効果測定は、検索エンジンがページの変更内容を認識し、実際のデータへ反映された後から開始します。
一方、Googleアナリティクスでは、変更後のページを公開し、実際の表示と計測状態を確かめた時点が評価の開始点となります。
効果を比較する際は、変更したURLごとに対象の検索語句と修正内容を記録し、変更前と評価開始後で期間の長さと曜日構成をそろえて比べることが基本です。
複数のURLを同時に変更した場合でも、検索エンジンへの反映時期はURLごとに異なるため、Google Search Consoleの比較開始日はURLごとに分けて設定してください。
比較した結果、数値がどのように変化したかによって次に行うアクションが変わります。
代表的な数値の動きと、次に調べるべき対象は以下を参考にしてください。
| 変更後の数値の動き | その段階で分かること | 次に調べる対象 |
| 表示回数が増え、クリック数が伸びない | 検索結果での露出は増えたが、流入にはつながっていない | 増加した検索語句、平均掲載順位、CTR |
| クリック数が増え、エンゲージメントやキーイベントが伸びない | 増えた流入に対して、行動指標やキーイベント数が改善していない | ランディングページの内容、検索意図との一致、内部リンク |
| 両方のツールで数値がほぼ変わらない | 数値だけでは「変更が無効だった」とは確定できない | 対象検索語句、ランディングページの内容 |
確実な改善を続けるため、検証記録には「対象URL」「変更内容」「実施日」を必ず残しておきましょう。
あわせて、データへの反映を確かめた日と比較期間も記録しておき、今回の判定結果をもとに次に行う修正施策を一つ決めて実行へと移します。
既存記事を更新・統合する

公開済みの既存記事に対しては、測定したデータをもとに内容の更新(リライト)と別記事への統合のどちらを行うかを判断します。
単に検索順位や流入数が低下したことだけで判断するのではなく、検索クエリと現在の記事内容にズレが生じていないかを見極めることが大切です。
また、似た記事を統合する場合は残すページを決めるだけでなく、旧URLからのリダイレクトまで正しく整えることで、初めて統合対応が完了します。
この章では、数値の変化から更新対象を選ぶ基準や、重複する記事の統合判断、そして統合後の具体的な設定手順について順を追って解説します。
順位や流入の変化から更新対象を選ぶ
リライトを行う記事は、同じ条件で比較したデータをもとに、「改善の余地があるもの」を対象に選びます。
その際、一つの指標が下がっただけで原因を決めつけるのではなく、対象のURLに実際に流入している検索クエリと現在のコンテンツにズレがないかを照らし合わせて判断することが重要です。
具体的な数値の動きから考えられる原因と、追加で調べるべき対象、そして更新に踏み切るための条件は次の表を参考にしてください。
| 数値の動き | 追加で調べる対象 | 更新する条件 |
| 表示回数とクリック数が減少 | 順位が下がった検索語句 | 求められる情報が記事内で不足している |
| 表示回数はあるがCTRが低下 | 実際に表示された検索語句 | タイトルや説明文が検索意図とずれている |
| クリック数は維持しているが流入後の行動が弱い | ランディングページの本文と内部リンク | 読者が求める回答や、次の行動への導線が不足している |
| 過去に流入があった記事の数値が長期的に低下 | 情報の鮮度と競合ページとの差 | 古い情報の更新や、不足した内容を具体的に加筆できる |
なお、トレンドや季節要因によって検索需要そのものが減っている場合は、記事を更新しても以前と同じ流入数へ戻るとは限りません。
そのため、対象となる検索語句の「表示回数」と「掲載順位」の動きは別々に確認しましょう。
検索意図が重なる記事の残し方を決める
複数の記事が同じ検索意図に答えてしまっている場合は、中心として残すページを一つに絞り、統合を行います。
ただし、テーマが似ていても読者の検索目的が異なる記事まで無理に統合する必要はありません。
統合を実施する際、どのページを残してどのように情報を移行するかは、以下の表を基準に判断してください。
| 比較する内容 | 残すページの条件 | 統合時の扱い |
| 対象とする検索意図 | 読者が求める回答と最も一致している | 残すページにない回答を移す |
| 検索結果での評価 | 対象語句で安定した表示やクリックがある | 残すURLを決める材料として使う |
| コンテンツの充実度 | 情報を整理して追加しやすい構成である | 独自の解説や画像を移す |
なお、統合元の記事をそのまま単純に継ぎ足すと、同じ説明や見出しがページ内で重複してしまいます。
残すページの検索意図に沿って必要な情報だけを選び直し、重複部分を整理・削除してから公開するようにしてください。
統合後にリダイレクトと内部リンクを修正する
記事を統合した後は、旧URLへのアクセスを新しいURLへ自動的に移すリダイレクト設定が必要です。
WordPressのプラグインを使う場合は管理者権限を持つ担当者が、サーバー側で設定する場合はサーバー設定を変更できる担当者が対応を行います。
統合して新しくなった記事を公開し、本文や画像が途切れることなく正しく表示されているかを実際の画面でチェックします。
古い記事にアクセスした読者を、自動的に新しい記事へ案内するための転送設定を行います。この設定をしておくことで、これまでの検索評価も引き継がれます。
自分のサイト内の別の記事から、古い記事へリンクを貼っている箇所を探し、すべて新しいURLに書き換えます。
ブラウザのアドレスバーに古いURLを直接入力(または古いリンクをクリック)してみて、新しいページへ一度で自動的に切り替わるかを確かめます。
手順3で張り替えたリンクを実際にクリックし、「ページが見つかりません」といったエラーにならないかを確かめたら統合作業は完了です。
なお、旧URLから別の旧URLを経由して最終的なページへたどり着くようなリダイレクトチェーンが発生すると、ページの表示速度が遅くなり、検索エンジンの評価にも悪影響を及ぼします。

まとめ
WordPressのSEO対策は、初期設定を済ませて終わるものではありません。
検索意図に合うコンテンツと、検索エンジンが読み込みやすいサイト構造を継続して保つための取り組みです。
記事を公開した後も、検索結果での表示状況や流入後のユーザー行動を測定し、実際のデータをもとに改善を続ける必要があります。
優先すべき施策は、クロールやインデックスの状態と、ページごとの課題を照らし合わせて決めていきましょう。
表示回数やクリック数の推移から記事の更新や統合が必要かを判断し、技術的な修正を行った後は、変更が正しく反映されたことを確かめてから次の評価へ進みます。
また、テーマファイルの編集やサーバー側のリダイレクト設定といった高度な作業については、自社で対応できる範囲と管理者や専門担当者へ依頼する範囲をしっかりと分けて進めることが重要です。
株式会社トモシビでは、GA4を用いたアクセス解析レポートの作成や成果報酬型SEO対策など、実際のデータをもとにサイトの課題を可視化して改善へつなげる支援を行っています。
「基本的なSEO設定は終えたが検索順位が上がらない」「データの読み解き方や具体的な改善手順が分からない」といった自社のWebマーケティング課題について相談したい場合は、ぜひ株式会社トモシビへお問い合わせください。



