Googleアナリティクスを見ていても、なにをすればよいかわかりません。
よく聞かれる質問です。「Googleアナリティクスは導入しているけど、ページビュー数の増減や流入数ばかりを見ています。しかし、そこから何をどうすればよいかわかりません。」
Googleアナリティクスは導入しているだけでは意味がありません。さらに言うと、ページビュー数や流入数ばかりを見ていてもサイトの改善の緒は見えてきません。
これらの数値データばかりを見ているのは「増えた・減った」の変化しかわからず、数値変動に対する自己満足で終わってしまいます。
Googleアナリティクスを導入する目的は「数値から改善策を見つけ出す」ことです。
「その改善策の見つけ方がわからない、その数値から何を変えるべきかわからない」、その理由は「目標」を立てていないからでしょう。
大事なことは、目標から「数値をどう変動させるか」を考えることです。
ゴールから逆算して、今見るべき数値を算出する
これを解決させる手段として「ゴールから逆算」をしましょう。
まずはゴールを立てます。例えば図を見てください。これはジュエリーショップのネット通販で「売上目標240万円を達成したい」とゴールを設定します。
[図表122]
このサイトの現状を以下とします。
[現状] 単価20,000円/ 直帰率70% / 回遊離脱率75% / フォーム離脱率92%
この場合、セッションをいくつにすれば目標を達成できるか?すべて逆算で答えを出すことができます。
まず、売上240万円を達成するためには、商品単価が2万円のため、「240万円÷2万円=120」件の売上(CV)が必要となります。
次にフォーム離脱率が92%ということは、フォームを通過している人、つまりコンバージョンしている割合は「100%-92%=8%」となります。ここから「120÷8%=1,500」件のフォーム到達数があれば、現状の数値で目標達成ができるということがわかります。
次に回遊離脱率が75%ということは、離脱をしていない人、つまりフォームに到達している割合は「100%-75%=25%」となります。ここから、「1,500÷25%=6,000」件の回遊数があれば、現状の数値で目標達成ができるということがわかります。
最後に直帰率が70%ということは、直帰をしていない人、つまり回遊している割合は「100%-70%=35%」となります。ここから「6,000÷25%=20,000」件のセッション数があれば、現状の数値で目標達成ができるということがわかります。
[図表124]
こうして、すべてゴールから逆算して数値を出すことができます。
逆算からGoogleアナリティクスをどう捉えるか
あらためて「Googleアナリティクス」でなにを見て、どんな改善策を見つければよいのか?
この例ですと、現状のセッション数が「15,000」であれば、残りの5,000のセッションをどう獲得するのか、例えば「広告で獲得するのか」、それであれば広告経由の流入数を観測していくことになります。
「検索で獲得する」であれば、検索から5,000獲得するために「SEO」施策を実施し、それが5,000の獲得に届いているのか、届いていないのであればSEO施策のブラッシュアップへと方針を固めることができます。
Googleアナリティクスはただ見るだけではなく、ゴールから逆算して必要な数値を求めることにより、その数値を達成させるために観察すべき数値を決める、そしてその数値を達成するために施策を実施する、という活かし方が重要です。
単に数値の変動を眺めていては意味がありません。意味のある数値を導き出し、その数値を目標に到達させるための改善策と観測を繰り返すことで、アクセス解析の本当の価値が生まれます。