ユーザーの挙動を可視化して感情を汲み取る
Googleアナリティクスだけでは「クリックされた箇所」「よく注目されて見られている箇所」「離脱した場所」など、ユーザーのサイト上での挙動までは把握することができません。
ヒートマップツールを使うと、ユーザーのサイト上の挙動をサーモグラフィー状で可視化することが可能になり、より一層ユーザーの思考・感情が汲み取りやすくなります。
ヒートマップツールの分析観点
以下ではヒートマップツール「USERHEAT」を使った分析の観点を説明します。
【クリックヒートマップ】どこがよくクリックされているかを視覚的に把握できます。リンクではない箇所がクリックされていれば、それはユーザーにとって誤認を与えているということになります。画像やコンテンツの改善により、ユーザーへのストレスをなくすことを検討しましょう。
また、よくクリックされているリンクが確認できるため「ユーザーのニーズ」も把握できます。例えば、よくクリックされているリンクがページの下部に存在する場合は、ページ上部の「グローバルナビゲーション(ヘッダーメニュー)」に配置することで、スムーズに知りたい情報のページへ遷移することができるようになり、ユーザー負担を軽減できます。
[図表100]
【熟読エリア】どこが注目されて見られているのかを把握することができます。「お申し込みボタン」や「広告」を配置している場合、それがあまり注目されて見られていない場所であれば、よく見られている部分(赤い箇所)に配置を変更するだけで、クリック率や申し込みフォームへの流入率アップが見込めます。
また、ページ下部にも関わらずよく見られている部分(赤)があれば、それはユーザーが「知りたい」情報であることがわかります。
その場合、該当エリアをページ上部に配置変更することで、ユーザーが知りたかった情報を素早く見えることができ、結果的にコンバージョンへスムーズに誘導できる可能性が高まります。
[図表101]
【終了エリア】ページ内のスクロール率をを把握できます。つまりユーザーがページ内をどこまで閲覧してくれているのかがわかります。特にユーザーの半数にあたる50%ラインに着目し、それ以上にユーザーを取りこぼしているのであれば、ページ上部のコンテンツが弱いことを意味しています。さらに「読みたい」と思わせるコンテンツへの改善や、長すぎるページを分割するなどの対策が必要です。
【離脱エリア】どの部分で離脱が多く発生しているかを把握できます。離脱が多いポイントはコンテンツに問題があるため、該当部分でのユーザーの意図を汲み取り、改修によって離脱を減らす施策を検討しましょう。
[図表102]
自分の考えとユーザーの考えは相違していることも多い
自分では「この場所が効果的」と思っていても、ユーザー側は「わかりにくい」というサイト運営者とユーザーの考えの相違はよく発生します。ヒートマップツールを活用し、ユーザーの行動履歴を可視化する。そして、ユーザーの意図を把握してサイトのコンテンツ改善とつなげるようにしましょう。