自社のWebサイトや記事の検索順位が伸びないとき、理由を決めつけてしまうと、肝心な検索意図とのズレを見落としてしまいます。
SEOにおける権威性とは、単に誰が発信しているかという肩書きだけの問題ではありません。
記事の主張について、読者が自ら根拠を確かめられるかどうかも、評価を左右する重要な判断材料です。
本記事では、権威性の本当の意味や評価される条件を踏まえ、サイト内の情報と外部からの評価をどう点検すればよいのかを解説します。
あわせて、見直した後の変化をどう確かめればよいのかも順を追って説明します。
SEOにおける権威性とGoogleの評価の関係

SEOにおける権威性は、特定のテーマにおいて発信者やサイトが信頼できる情報源として認識されているかを示す概念です。
しかし、Googleは「権威性」という単独の点数を用いて掲載順位を決めているわけではありません。
評価の仕組みを誤解しないためには、権威性を含むE-E-A-Tの各要素が、それぞれ検索結果へどう影響するのかを区別する必要があります。
この章では、E-E-A-Tの構成要素と検索順位の関係を踏まえ、自社の記事を改善する際に何を基準として不足している要素を特定すべきか、判断の軸を示します。
E-E-A-Tにおける権威性と信頼性の違い
Googleが情報の品質を評価する際に用いる「経験(Experience)」「専門性(Expertise)」「権威性(Authoritativeness)」「信頼性(Trust)」の4つの要素を合わせた概念が、E-E-A-Tです。
この中で最も重視されるのが「信頼性」であり、ほかの3つの要素は情報の信頼性を支えるための条件として位置づけられています。
権威性は、あるテーマにおいて「誰が発信しているか(情報源として認識されているか)」を評価する要素です。
対して信頼性は、掲載された情報そのものを信用できるかを問う要素に当たります。
各要素を正しく区別し、自社の記事に不足している部分を特定するために以下を確認しましょう。
記事で確かめる例実際に試した条件や結果が示されているか
記事で確かめる例執筆者の知識と記事の主張が対応しているか
記事で確かめる例発信者やサイトについて、外部からどのような言及があるか
記事で確かめる例主張の根拠が示され、読者が出典をたどれるか
立派な肩書きを持つ人物が発信しているからといって、その記事の記述が正確であるとは限りません。
たとえば、執筆者の経歴がテーマに合っていても、数値の出典が不明であれば、読者はその主張が事実かどうかを確かめられない状態になります。

権威性を単独の順位指標として考えない理由
Googleは、掲載順位を決定する際に単一の要素ではなく、複数の要因を組み合わせて評価していると説明しています。
出典:「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
E-E-A-T自体は直接的なランキング指標ではありません。
また、検索品質評価者による判定も、個々のページの順位を直接操作するものではありません。
権威性と検索順位の関係を正しく捉えるために、以下の前提を確認してください。
E-E-A-Tを単一の点数として算出し、その数値だけで検索順位が決まる仕組みではない
評価者の判定は検索アルゴリズムの検証に使用されるものであり、対象ページの順位を直接決めるものではない
記事に発信者の情報を追加して順位が変動しても、それだけを順位上昇の直接的な原因とは断定できない
健康や金融など、人々の生活に大きな影響を与えるテーマにおいて、GoogleはE-E-A-Tに優れた情報を特に重視すると説明しています。
そのため、どのような記事に対しても一律に同じ肩書きや運営者情報を追加するだけでは、テーマごとに読者が求める根拠を示すことはできません。
順位を上げるための表面的な対策として権威性を捉えるのではなく、そのテーマにおいて読者が誰のどのような情報を必要としているのかを先に検討しましょう。
発信者と運営者の情報を明確にする

記事の信頼性を高めるためには、書かれている内容だけでなく、「誰が書き、どの組織が公開しているのか」を明示することが必要です。
執筆者の実務経験やサイト運営元の情報を読者がスムーズにたどれるようにすることで、発信者と掲載内容の関係性が明らかになり、情報の裏付けを確かめやすくなります。
この章では、読者が安心して記事を参考にできるよう、執筆者や監修者の経験をどう記事へ結びつけるのか、そして運営元による責任の所在をどのように示すべきかを解説します。
執筆者・監修者の経験を記事内容と結びつける
執筆者を紹介する際は、単なるプロフィールではなく、記事のテーマに直接関係する実務経験を記載します。
たとえば、Web広告の運用について解説する記事であれば、実際に担当した広告媒体や支援領域を明記することで、発信者と記事内容のつながりが読者へ明確に伝わります。
Googleも、コンテンツの信頼性を高めるために、執筆者が誰であるかがわかる署名や経歴情報を示すことを推奨しています。
以下は、記事の制作に関わる人物の役割ごとにプロフィールや紹介欄で明記するべき内容です。
| 関わり方 | 記事で伝える内容 |
| 執筆 | 記事のテーマに関係する実務経験と担当領域 |
| 監修 | 確認した内容と、監修者の専門領域 |
| 取材協力 | 発言や情報を得た相手の立場と、記事への関わり方 |
執筆、監修、取材協力では記事に対する役割が異なるため、それぞれの人物がどのように情報へ関わったのかを正確に区別することが大切です。
資格や役職といった肩書きだけでなく、具体的な実務経験や情報の確認範囲まで記載することで、読者が主張の裏付けを正しくたどれるようになります。
サイトの運営元と情報の責任の所在を示す
記事の発信者が分かっても、サイトを運営する組織が不明では、掲載情報の責任の所在が伝わりません。
Googleは、サイトの運営者やコンテンツの作成者に関する情報も、情報の信頼性を判断するうえで読者が知りたい内容として挙げています。
サイトの運営元として、読者が確認できるように明記すべき主な項目は以下です。
サイトを公開している会社や組織の名称
掲載内容について問い合わせるための連絡先
記事の公開や更新に責任を持つ部署・組織
会社概要や問い合わせ先を記事から探しやすい場所に配置し、掲載内容について誰に連絡できるのかを明確にしましょう。
運営元の情報が整うことで、読者はより安心して記事の主張を参考にできるようになります。
記事の主張を裏付ける情報を充実させる

SEOの評価において権威性を高めたいと考えても、立派な肩書きや運営者の情報を表示するだけでは、記事の主張が正しいことの証明にはなりません。
読者が安心して情報を活用するためには、書かれている事実の根拠を自らたどれる状態にすることや、自社の経験から得た知見を具体的な条件とともに提示することが不可欠です。
この章では、信頼できる一次資料を参照して主張の根拠を示す方法や、実務経験や独自データを記事へ適切に反映する際のポイントを解説します。
一次資料を参照し、主張の根拠を示す
制度やサービスの仕様について解説する際は、発表元が公開している一次資料を基に記述しましょう。
第三者の記事で紹介された内容をそのまま引用するだけでは、元の情報が更新されていたり、重要な適用条件が抜け落ちていたりする問題に気づけない恐れがあります。
以下は、情報の種類ごとにどの一次資料を参照して何を確かめるべきかの目安です。
所管する機関の公表資料を参照し、対象者や適用条件を確かめる
運営元の公式資料を参照し、機能の範囲や利用条件を確かめる
調査主体の公開資料を参照し、調査時期や対象、数値の定義を確かめる
参照した資料は単にリンクを貼るだけでなく、記事内のどの主張を裏付ける根拠なのかが読者に伝わる位置へ配置しましょう。
資料の内容から自社で導いた解釈を述べる際は、一次資料に記載された客観的な事実と読者が混同しないよう、明確に区別して記載する必要があります。
実務経験や独自データを記事に反映する
自社で経験したことや独自に集めたデータは、記事のテーマに直接関係する箇所で示します。
一般的な解説に経験を一文添えるだけでは、読者がその知見をどのような場面で参考にできるか判断できません。
読者が情報の裏付けを正確に測れるように、情報の種類ごとに記載すべき内容とあわせて明記する条件は以下です。
| 情報の種類 | 記事に記載する内容 | 一緒に明らかにする条件 |
| 実務経験 | 実際に行った作業と、そこで得た知見 | 担当した業務や実施した範囲 |
| 独自データ | 集計結果と、結果から読み取れること | 集計対象、期間、数値の定義 |
たとえば、Web広告運用の実務経験を書く場合は、実際に担当した施策の内容と、そこから得られた具体的な知見を結びつけます。
数値を提示する際も集計条件を併記することで、別の条件にも同じ結果が当てはまるかのような誤解を防げます。
自社の知見を記事へ反映する際は、読者が前提となる条件を正しく把握できる状態に整えてください。
サイトが得意とするテーマを明確にする

自社が権威性を発揮できるサイトを作るには、実務経験に基づいた具体的な説明ができるテーマへ絞り込むことが必要です。
得意なテーマを明確にしたうえで、関連するページ同士を適切につなぐことで、読者は自身の疑問に応じた情報をスムーズに探せるようになります。
以降では、自社が説得力を持って発信できるテーマをどのように選定すべきかと、読者が求める答えへたどり着きやすくするためのページ構成の考え方を解説します。
自社の知見を示せるテーマから記事を制作する
検索されているという理由だけで安易にテーマを広げず、自社で具体的に説明できる内容から記事のテーマを選定しましょう。
自社が説得力を持って発信できるテーマの候補を絞る際は、以下の情報を手がかりにします。
自社が担当している作業や、その過程で繰り返し直面する疑問
問い合わせや商談でよく聞かれ、記事で答えられる内容
手順や判断の理由を確かめられる資料、業務中に蓄積したデータ
担当経験のない業界全般へ話題を広げるよりも、実務で説明できる範囲から記事を制作する方が、主張の裏付けを具体的に示せます。

関連ページをつなぎ、テーマごとの情報を探しやすくする
一つの記事に概要から細かな疑問までをすべて盛り込むと、情報量が膨大になり、読者が求める答えが埋もれてしまいます。
テーマの全体像を伝えるページと、個別の疑問に答えるページの役割を分け、本文中の関連する箇所から内部リンクでつなぎましょう。
内部リンクを設置する際の、リンク元とリンク先の関係、および読者がリンクをクリックして移動する目的は以下です。
| リンク元 | リンク先 | 読者が移動する目的 |
| テーマの概要を説明するページ | 個別の疑問に答えるページ | 関心のある項目を詳しく調べる |
| 個別の疑問に答えるページ | 関連する手順や条件を説明するページ | 答えを踏まえて実施内容や適用条件を確かめる |
リンク先には見出しや本文の文脈と合うページを選び、リンクの文言を見るだけで移動先の内容が伝わる状態に整えましょう。
関連ページをつなぐ際も、各ページで同じ説明を繰り返さず、それぞれの記事がどの疑問に答えるのかを明確に区別することが大切です。
SEOに強い記事の書き方については下記で詳しく紹介しています。
外部からの評価につながる情報を発信する

サイトの権威性を高めるためには、自社サイト内の情報の質を向上させるだけでなく、外部のサイトから信頼できる情報源として評価される必要があります。
そのためには、他サイトが思わず参照したくなるような独自の情報を公開し、それが実際にどのような文脈で紹介されているのかを確かめることが重要です。
被リンクや第三者からの言及は、単なる獲得件数ではなく、どのような理由で引用されたかという質が問われます。
この章では、他サイトから参照されやすい独自の情報を公開するポイントと、獲得した被リンクや言及の質をどのように確かめるのかを解説します。
他サイトが参照できる独自の情報を公開する
他サイトが記事の根拠として引用しやすいのは、独自の調査結果や検証記録など、一次情報として元のデータを直接たどれる資料です。
単に結果の数値を載せるだけでなく、その前提となる条件や詳しい説明を同じ公開ページ内に配置し、引用する側が明確な参照先として示せる状態に整えます。
以下は、他サイトからの引用を促すために、自社が持つ情報の種類ごとに整えるべき公開形式です。
| 公開する情報 | 外部から参照できる形 |
| 自社で実施した調査 | 調査の概要と結果の図表を掲載したページ |
| 業務で得た集計データ | 集計結果の図表と、その内容を説明する注記 |
| 自社で行った検証の結果 | 検証した条件と結果を一緒に読める記録 |
図表やデータを掲載する際は単に画像を置くだけでなく、そのデータが「どのような調査や集計に基づくものか」を同じページ内で確認できるように記載しましょう。
前提となる条件と結果をセットにして公開することで、他サイトが情報の一部だけを切り取って引用した場合でも、本来の意図とは異なる文脈で誤って紹介されるリスクを防げます。
被リンクや第三者の言及を質の面から確かめる
被リンクの数が増えたとしても、どのページからどのような根拠で紹介されたのかは、件数を見るだけでは判断できません。
リンク元のページを実際に開き、紹介文と自社ページの内容が正しく対応しているかを確認する必要があります。
獲得した被リンクや言及の質を確かめるために、以下の項目をリンク元のページで確認しましょう。
リンクが設置されていない社名や記事への言及であっても、前後の紹介文を読めば、自社のどの情報が外部から参照されやすいのかを知る手がかりになります。
もし誤った引用や意図しない文脈での紹介が見つかった場合は、自社が公開した情報と相手の紹介文を見比べ、どの点に解釈の食い違いが生じているのかを確かめてください。
権威性を損なう施策を避ける

発信者の情報や外部からの評価は、実態を伴って初めて読者の信頼につながります。表面的な見栄えや数だけを追い求めると、かえってサイトの権威性を損なう恐れがあります。
肩書きの記載や監修者の設置、被リンクの獲得といった施策を行う前に、記事上の表示内容と実際の取り組みが正しく合致しているかを見直すことが重要です。
ここでは、権威性を高めようとするあまり陥りやすい失敗例を挙げ、サイトの評価を下げるリスクがある不適切な施策と、それらを避けるために確認すべき基準を解説します。
実態のない肩書きや形式的な監修を載せない
執筆者の肩書きや監修者の名前を掲載するだけで、記事内容の正確さが保証されるわけではありません。
読者へ提示する役割表示と、実際の記事制作で行った作業の実態が正しく合致している必要があります。
表面的な権威付けを避け、表示内容と実際の取り組みを一致させるために確認すべき基準は以下です。
記事のテーマに直接関係する実務経験や保有資格を、誇張せずに正確に記載する
本文のどの内容を確認したのか、事前の指示や公開前のチェックなど、具体的な監修の範囲を明確にする
名前を貸しているだけで実際に本文の確認を行っていないのであれば、「監修」と表示することは適切ではありません。
それぞれの人物が記事へ関わった範囲を正確に伝えることで、読者はその記事の内容を評価するための確かな根拠を得られます。
検索評価を操作するためのリンクや記事の量産に頼らない
検索順位を上げる目的で不自然なリンクを作ったり、検索キーワードだけを変えた似たような記事を大量に公開したりしても、読者にとっての情報価値は増えません。
Googleのスパムポリシーにおいても、検索順位の操作を主目的としたリンク作成はリンクスパムとして明確に規定されています。
出典:「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」
サイトの評価を下げるリスクがある不適切な施策と、本来重視すべき制作および運用の基準を示します。
制作・運用で重視すること内容を参照する理由がある情報を公開する
制作・運用で重視することページごとに答える疑問を明確にする
記事の制作過程でAIを利用するかどうか自体が、コンテンツの品質を決めるわけではありません。

記事の見直し後に検索状況を確かめる

記事の修正が完了しても、検索エンジンの評価が定まるまでには時間がかかるため、検索結果への反映や順位の変動はすぐには確定しません。
正しい評価を確認するためには、変更したページの検索状況を一定期間記録し、数値の変化と現在の記事内容をあわせて点検する必要があります。
この章では、記事を修正した後に表示回数や検索順位の数値をどのように比較すればよいのか、そして検索結果の数値だけで原因を決めつけず、記事の内容をどう再点検すべきかについて解説します。
変更したページの表示回数と検索順位を比べる
Google Search Consoleの「URL検査」ツールを使い、まずは対象URLが修正後に再度クロールされ、インデックス登録されているかを確かめましょう。
「検索パフォーマンス」レポートに修正後のデータが十分に蓄積された段階で、修正前と同じ日数の期間を指定して数値を比較します。
修正日、対象URL、具体的な変更内容をあらかじめ記録しておくと、どの期間の数値を比較すべきかが明確になります。
以下は、検索結果の変化を分析する際に確認すべき主な指標と、数値を読み取る際の注意点です。
| 指標 | 確かめる変化 | 読み取る際の注意 |
| 表示回数 | そのページが検索結果に表示された回数の増減 | 検索需要の波や、表示された検索キーワードの変化も影響する |
| 平均掲載順位 | 同じページが表示された際の順位の変化 | 検索キーワードの内訳が変わると、順位の平均値も変動する |
ページ全体の数値に変化が見られた場合は、ページ単位だけでなく、検索キーワードごとの表示回数や平均掲載順位もあわせて確かめてください。
平均順位の上下だけを見て「記事の評価が上がった・下がった」と急いで結論づけないことが大切です。
検索結果だけで原因を決めず、記事の内容を再点検する
表示回数や平均掲載順位の変化だけでは、記事の修正が変動の原因であるとは断定できません。
数値に変化が見られた検索キーワードと、現在公開されている記事の内容をあわせて点検しましょう。
検索結果の数値が変わった際に、記事の内容を再点検するための基準として、以下の点を確認してください。
修正日と変更内容を記録しておくと、修正後に再び同じ条件で推移を比べることができます。
まとめ
SEOにおける権威性は、表面的な肩書きや被リンクの数だけで高まるものではありません。
「誰が発信し、何を根拠に述べているか」を読者が自ら確かめられる記事を作り、他サイトが参照したくなるような独自の情報を発信することが大切です。
まずは自社の記事を見直し、執筆者の実務経験と主張の根拠が正しく結びついているかを点検して、不足している部分から修正を進めましょう。
修正後は対象ページが再びクロールされたかを確かめたうえで、表示回数や検索順位の推移と、現在の記事内容をあわせて検証することが重要です。
株式会社トモシビでは、SEOの知見とアクセス解析データを掛け合わせ、サイトの課題特定から改善施策の実行までを支援しています。
「自社の記事のどこから手をつければよいか分からない」「評価を高めるための具体的な改善策を知りたい」とお悩みの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。














