Google広告の入札戦略を徹底解説:種類、選び方、特徴とメリット

Google広告の入札戦略は、クリック、問い合わせ、売上など、どの成果を優先して広告を配信するかを決める設定です。
同じキーワードや広告文を使っていても、入札戦略の選択によって、クリック数、問い合わせ数、CPA、ROASなどの結果は大きく変わってきます。

用語メモ

CPA

問い合わせや購入などの成果を1件獲得するためにかかった広告費のこと

ROAS

広告費に対してどれくらい売上や価値が生まれたかを見る指標

現在のリスティング広告(検索広告)運用では、自動入札を活用しながら目的に合うデータを蓄積して最適化を進める形が主流です。

ただし、自動入札を設定するだけで成果が安定するわけではありません。
目的、計測、予算、キーワード、ランディングページ(広告のリンク先ページ)まで整っていてこそ、広告費を問い合わせ獲得に使いやすくなります。

この記事では、Google広告の入札戦略の種類や選び方、設定前に確認したい項目を実務視点で解説します。
Webマーケティングを仕事で使う方や、問い合わせを増やしたい方は参考にしてください。

Google広告の入札戦略とは

Google広告の入札戦略とは

Google広告の入札戦略とは広告を表示するためのオークションで、入札単価をどのように決めるかを指定する機能です。
入札単価とは、広告主が1クリックあたりに支払える上限額の目安となるものです。

Google広告では、入札単価の額だけでなく、広告の関連性やリンク先ページ、クリエイティブ、配信対象なども成果に大きく影響します。
そのため、高い単価を設定しても問い合わせや売上の増加に直結するとは限りません。

広告の目的に応じて、クリック、コンバージョン、コンバージョン値、インプレッションシェアなど、どの成果を重視するかを選ぶ必要があります。

用語メモ

コンバージョン

問い合わせや購入など、広告で獲得したい行動

コンバージョン値

その行動によって生まれる売上や見込み価値を数値で表したもの

まずは、入札戦略が広告費の使い方をどう変えるのかを押さえておきましょう。

入札戦略が広告費の使い方を決める

入札戦略は、限られた広告費をクリック、問い合わせ、売上など、どの成果へ優先して使うかを決めるための設定です。

クリックを重視する設定では、サイトへのアクセス数を増やす方向に配信が進みます。
一方で、問い合わせを重視する設定を選ぶと、問い合わせにつながりやすい検索語句やユーザーに広告費を使いやすくなります。
同じ月額予算でも、クリック数を追う運用と問い合わせ数を追う運用では、広告が表示されるユーザーの傾向が変わるのです。

認知拡大、クリック数の増加、問い合わせ獲得、売上向上を1つのキャンペーンで同時に狙うのは現実的ではありません。

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石本 憲貴
広告費を効率よく使うには、今回のキャンペーンで最も優先したい成果を絞ることが大切です!

広告オークションと入札単価の関係

広告オークションと入札単価の関係

Google広告では、ユーザーが検索したタイミングなどに応じて広告オークションが行われます。
その場で入札単価、広告の関連性、広告文、リンク先ページなどが評価され、掲載される広告が決まる仕組みです。

入札単価は掲載に影響するものの、単価の高さだけですべてが決まるわけではありません。
広告オークションを見るときは、どの要素が配信や掲載位置に関わるのかを把握しておきましょう。

広告オークションでは、入札単価だけでなく、広告文やリンク先ページ、競合状況なども掲載に影響します。
そのため、成果が伸びないときは、入札戦略を変える前に広告文やページに見直す点がないか確認しましょう。

掲載に影響する主な項目を整理すると、次のようになります。

見る項目 運用での意味
入札単価 広告表示の機会を得るための金額の目安
広告の関連性 検索語句と広告文が合っているか
リンク先ページ ユーザーの目的に合う内容か
広告表示オプション 広告の情報量やクリックのきっかけになる要素
競合状況 同じキーワードへ出稿する広告主の多さ
ランディングページの品質 クリック後にユーザーが必要な情報へ進めるか

確認したいのは、入札単価だけでなく広告全体の品質です。
検索結果の上部に表示されても、ページ内容がユーザーの期待と合っていなければ成果には結びつきません。
単価調整だけに目を向けず、広告文、検索語句、リンク先ページを合わせて見直しましょう。

Google広告で使うキーワードの選び方については下記で詳しく紹介しています。

自動入札と手動入札の違い

自動入札と手動入札の違い

Google広告の入札方法には、自動入札と手動入札があります。
違いを押さえておくと、後に紹介する入札戦略の種類や選び方を理解しやすくなるでしょう。

手動入札は、運用者がキーワードや広告グループごとに単価を個別に調整する方法です。
一方、自動入札ではGoogle広告が目標や配信状況に応じて入札単価を自動的に調整します。
現在はAIや機械学習を使った自動入札の活用が広がっていますが、すべての広告運用をGoogle側に任せきりにしてよいわけではありません。
特に注意したいのは、アカウント内のデータが正しくないまま自動入札を使うと意図しない方向へ最適化が進む点です。

運用者は入札作業の手間を抑えながらも、目的、予算、コンバージョン設定、成果指標の管理には時間を使う必要があります。

自動入札で任せられる範囲

自動入札では、Google広告が配信ごとの状況をもとに入札単価を調整します。
検索語句、地域、時間帯、デバイス、過去のコンバージョン実績などが主な判断材料です。
運用者がすべての条件を手作業で追うよりも、細かな変化に対応しやすい点はメリットといえます。

ただし、自動入札が判断しやすい状態を作るには、正しいコンバージョンデータと一定の配信実績が欠かせません。
自動化できるのは主に単価調整であり、広告の目的設計や成果の評価まで丸ごと任せられるものではないためです。

自動入札を使う前に、最適化に使われるデータが目的に合っているかを確認しましょう。

✓ 主要コンバージョンが問い合わせ完了や購入完了など成果に近い行動になっている
✓ 不要なコンバージョンが最適化対象に含まれていない
✓ 1日の予算が少なすぎず、一定の配信量を確保できる
✓ 検索語句やターゲティングの範囲が広がりすぎていない
✓ 広告文とランディングページの内容が同じ期待に答えている

これらの項目が整っていないと、自動入札を使っても広告費が問い合わせや売上につながりにくい場所へ使われるおそれがあります。
設定後は放置せず、検索語句、CPA、コンバージョン率を見比べながら調整しましょう。

手動入札で調整できる範囲

手動入札では、キーワードや広告グループごとにクリック単価を手動で設定します。
Google広告へ自動調整を任せるのではなく、運用者が「どこに、いくらまで広告費を使うか」を細かく決める方法です。
運用後のモニタリングや調整の手間は増えるものの、特定のキーワードや広告グループの単価を自分で管理したい場合に向いています。

手動入札で調整できる範囲を把握しておくと、自動入札と使い分ける判断がしやすくなります。
どの項目を運用者が直接管理できるのか、次の表で確認しましょう。

調整できる項目 内容
クリック単価 1クリックあたりに支払う上限金額を設定する
キーワードごとの単価 成果が見込めるキーワードの入札を強める
広告グループごとの単価 商材や検索意図に応じて単価を変える
配信量 単価を上げ下げして表示機会を調整する
費用の使い方 特定のキーワードへ予算を寄せる

手動入札のメリットは、狙いたいキーワードを細かく管理できる点です。
ただし、検索するユーザーの状況や競合の入札は常に変わるため、人の手だけで最適な単価を保ち続けるのは難しくなります。
一定の配信データがある場合は自動入札も検討し、運用者は検索語句や広告文、ランディングページの改善に時間を使いましょう。

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石本 憲貴
広告費が大きくなるほど、単価調整だけでは成果を改善しにくくなります。
コンバージョン計測や検索語句も確認し、広告費の使われ方を見直しましょう!

スマート自動入札を使う前に確認すること

スマート自動入札は、コンバージョン数やコンバージョン値の最大化を目指す運用で使われる入札方法です。
問い合わせ獲得や売上改善を狙う場合、実務でも選ばれることが多くあります。

ただし、主要コンバージョンが正しく設定されていないと、Google広告が意図しない行動を成果として学習するおそれがあります。
たとえば、フォーム到達やページ閲覧を主要コンバージョンにしている場合、問い合わせ完了ではなく「ページを見た人」を増やす方向へ配信が進む可能性もあるでしょう。

スマート自動入札を導入する前に、計測と評価の基準がそろっているかを確認してください。
運用開始後のズレを抑えるために、次の項目を見ておく必要があります。

✓ 自動で増やしたい成果が主要コンバージョンとして正しく計測されている
✓ テスト送信で計測が反映されている
✓ 重複計測や不要なコンバージョンが含まれていない
✓ 電話や資料請求を成果に含める基準が決まっている
✓ 低品質な問い合わせを営業側で判別できる
✓ コンバージョン値を使う場合は、売上や商談価値の入力ルールが決まっている
✓ キャンペーンのステータスや学習状況を定期的に確認できる

スマート自動入札を使う場合は、問い合わせ完了や購入完了など、増やしたい行動が正しく計測されているかを確認する必要があります。
あわせて、獲得した問い合わせが商談や受注につながっているかを営業側で確認すると、Google広告の成果をより正確に判断できるでしょう。

Google広告の入札戦略の種類一覧

Google広告の入札戦略の種類一覧

次に、Google広告で使える入札戦略の種類を確認しましょう。

Google広告の入札戦略は、キャンペーンの目的によって重視する成果が異なります。
同じ自動入札でも、コンバージョンの数を増やすのか、売上や商談価値につながるコンバージョン値を高めるのかで運用結果は変わってきます。

先に全体像を把握しておくと、後述する目的別の選び方を理解しやすくなります。
判断の軸になるのは、キャンペーンごとに何を最優先の成果として見るかです。

主な入札戦略と重視する成果

入札戦略は、名前だけで判断すると目的とズレるおそれがあります。
問い合わせ獲得、認知拡大、売上向上では見るべき指標が異なるため、どの戦略が何を重視するのかを先に整理しましょう。

次の表では、Google広告で使われる主な入札戦略について重視する成果と向いている目的をまとめています。
自社のキャンペーンがクリック数、コンバージョン数、費用対効果のどれを優先するのかを確認しながら見てください。

入札戦略 重視する成果 向いている目的
コンバージョン数の最大化 コンバージョン数 問い合わせ、資料請求、申し込みの増加
目標コンバージョン単価 CPA 問い合わせ1件あたりの費用管理
コンバージョン値の最大化 コンバージョン値 売上や商談価値の最大化
目標広告費用対効果(目標ROAS) ROAS 広告費に対する売上や価値の改善
クリック数の最大化 クリック数 アクセス増加、検索需要の確認
目標インプレッションシェア 表示機会や掲載位置 認知拡大、ブランド名検索の防衛
個別クリック単価制 クリック単価 キーワード単位での手動調整
拡張クリック単価 コンバージョン見込みに応じたCPC調整 手動入札を使いながら一部を自動最適化したい運用

※拡張クリック単価は、検索キャンペーン等で段階的に廃止が進んでいるため、新規設定時はコンバージョン数の最大化などのスマート自動入札の利用を推奨します

用語メモ

CPC

広告が1回クリックされるごとに発生する費用

このように、入札戦略ごとに最適化の方向性は大きく異なります。
まずは自社の目的に最も合うものを一つ選定するところから始めましょう。

問い合わせ向けと認知向けの違い

問い合わせ向けの入札戦略では、コンバージョン数やCPAが主な判断基準です。
一方で、認知向けの運用では問い合わせ数ではなく、広告の表示機会やクリック数を主な指標として評価します。

クリック数の最大化は、サイトへのアクセスを増やしたいときに使う入札戦略です。
ただし、アクセスが増えても、問い合わせの質まで高まるとは限りません。

目標インプレッションシェアは、検索結果の上部など、指定した位置に広告を表示したいときに役立ちます。
ブランド名検索を守りたい場合や、認知を広げたいキャンペーンでは選択肢になりますが、問い合わせ獲得を主目的にする運用では注意が必要です。

そのため、問い合わせ獲得を目的にするキャンペーンで、クリック数の最大化や目標インプレッションシェアを選ぶと、問い合わせにつながらないアクセスや表示に広告費が使われる可能性があります。
入札戦略を選ぶときは、認知を広げたいのか、問い合わせを増やしたいのかを先に決めておきましょう。

ポートフォリオ入札戦略を使うケース

複数のキャンペーンをまとめて管理したいときは、ポートフォリオ入札戦略を活用するのも一つの方法です。
キャンペーンごとに別々の入札戦略を設定する場合と比べて、同じ目的を持つキャンペーンの予算を一括で管理しやすくなります。

たとえば、現在同じサービスで検索広告とP-MAX広告を運用していて、近い目標CPAで問い合わせ獲得を目指す場合に役立ちます。
一方で、役割が異なるキャンペーンまで同じポートフォリオ入札戦略に含めると、どの広告が成果に貢献しているのか判断しにくくなるので注意しましょう。
ポートフォリオ入札戦略は一括管理に便利ですが、すべてのキャンペーンへ無条件に適用するものではありません。

ポートフォリオ入札戦略は、問い合わせ獲得や売上向上など、同じ成果を目指すキャンペーンに絞って適用するのが現実的です。

目的別に見るGoogle広告の入札戦略の選び方

目的別に見るGoogle広告の入札戦略の選び方

入札戦略は広告の目的から逆算して選びます。
問い合わせ獲得、認知拡大、売上向上では、追うべき指標が異なるためです。

自社の広告を、情報収集中のユーザーへ届けるのか、問い合わせや購入に近いユーザーへ届けるのかによって、選ぶべき入札戦略は変わります。
同じ「成果を増やす」運用でも、無料相談、資料ダウンロード、購入、来店予約では、売上につながるまでの距離が異なります。
そのため、何をコンバージョンとして計測し、どの成果を優先するのかを先に決めておきましょう。

ここでは、目的別に向いている入札戦略を整理します。

問い合わせ・資料請求を目的にする場合

問い合わせや資料請求を目的にするなら、コンバージョン数の最大化や目標コンバージョン単価が中心になります。
無料相談、資料請求、見積もり依頼、電話など、何を成果として扱うかを先に決めておくことが必要です。

どちらの入札戦略を選ぶか迷う場合は、現在の運用状況と管理したい指標を照らし合わせて判断しましょう。

問い合わせ獲得向けの入札戦略は、成果数を増やしたい段階なのか、CPAを管理したい段階なのかで選び方が変わります。
次の表で、自社のキャンペーンがどの状況に近いか確認してください。

運用状況 向いている入札戦略 考え方
問い合わせ数を増やしたい コンバージョン数の最大化 まずは成果数を増やし、配信データを集める
目標CPAがまだ決まっていない コンバージョン数の最大化 CPAを固定せず、獲得できる成果の傾向を見る
一定の問い合わせ数がある 目標コンバージョン単価 過去のCPAをもとに、費用を管理しながら運用する
問い合わせ1件あたりの費用を抑えたい 目標コンバージョン単価 目標CPAを設定し、費用と件数のバランスを見る

表の内容は、管理画面上の数値を確認するための目安です。
問い合わせの質に差が出やすい業界では、フォーム送信後に商談へ進んだか、予算や依頼内容が合っていたか、まで確認すると入札戦略を評価しやすくなります。

問い合わせや資料請求を目的にする運用では、フォーム送信数だけで成果を判断しないことが大切です。
無料相談、見積もり依頼、電話、資料請求などは、同じコンバージョンとして計測されていても、その後に商談や受注へ進む割合が異なります。

管理画面の数値だけでは判断しにくい成果の質は、次の項目で確認できます。

有効な問い合わせの割合
商談につながった件数
電話問い合わせの内容
資料請求後の再訪問や相談発生数
地域や業種ごとの成約見込み

これらを確認することで、Google広告の管理画面だけでは見えにくい「成果の質」の差を把握できるようになります。
広告の運用担当者と営業メンバーが情報を共有できる体制を作れば、入札戦略の評価と実際の売上のズレを最小限に抑えることが可能です。

売上や費用対効果を重視する場合

売上や費用対効果を重視するなら、コンバージョン値の最大化や目標広告費用対効果(目標ROAS)が候補になります。
購入金額や契約金額を広告データに反映できるほど、価値をもとにした入札が使いやすくなるためです。

ただし、売上に近いデータが整っていない段階でROAS重視に寄せると、判断に必要な情報が不足したまま最適化が進むおそれがあります。
まずは問い合わせ数やCPAを安定させ、次にコンバージョン値を使った運用へ移る流れが現実的です。
価値をもとに入札するには、広告データと実際の売上を結びつけて確認する必要があります。

ROASや費用対効果を判断する前に、次の項目を確認しておきましょう。

✓ コンバージョンごとの価値を設定できる
✓ 受注金額や契約金額を記録できる
✓ 商談化率や成約率を広告別に確認できる
✓ ROASだけでなく問い合わせ数の変化も追える
✓ 低単価の成果と高単価の成果を同じ扱いにしない
✓ 広告費以外の制作費や代行費も含めて費用対効果を評価できる

これらの項目が整っていない状態のまま管理画面上のROASで成果を判断してしまうと、実際の利益とズレが生じることがあります。
まず売上や商談価値を反映できる状態を作ってから、コンバージョン値の最大化や目標広告費用対効果を選ぶとよいでしょう。

目標ROASを高くしすぎると配信量が抑えられ、売上の最大化よりも機会損失が大きくなるケースがあります。
費用対効果を重視する場合でも、配信量、問い合わせ数、成約率のバランスを見ながら調整してください。

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石本 憲貴
検討期間が長い商材では、短期間のCPAだけで成果を判断しないことが大切です!

問い合わせ獲得で使う入札戦略の実務ポイント

問い合わせ獲得で使う入札戦略の実務ポイント

Google広告では、商談や契約につながりやすい問い合わせを増やせるかまで見て、入札戦略を選ぶ必要があります。

コンバージョン数の最大化と目標コンバージョン単価は似て見えますが、向いている状況は異なります。
どちらを選ぶか迷うときは、コンバージョン数、CPAの実績、配信量の3つを確認しましょう。

また、問い合わせフォーム、電話、資料請求を同じ成果の価値として扱うかどうかも重要です。
成果の質を見ないまま最適化すると、管理画面上の数値は改善していても売上につながりにくい運用になりかねません。

ここでは、目的別の考え方を踏まえ、問い合わせや資料請求を増やしたい場合の入札戦略の使い方を掘り下げます。

コンバージョン数の最大化を使うタイミング

コンバージョン数の最大化は、問い合わせや資料請求の件数を増やしたいときに使う入札戦略です。
目標CPAをまだ決めきれない段階でも、まず成果数を増やして配信データを集める目的に向いています。

特に、コンバージョン計測が整っており、一定のクリックや問い合わせが見込めるキャンペーンでは使いやすい方法です。
ただし、フォーム到達やページ閲覧を主要コンバージョンにすると、Google広告は「フォームを開いた人」や「ページを見た人」を成果として学習します。

実際の問い合わせ完了とは異なる行動のため、問い合わせにつながりにくいユーザーへ広告費が使われるおそれがあります。
成果として増やしたい行動は、問い合わせ完了や電話発信など実際の獲得に近いものへ設定しましょう。

配信開始直後はデータが少ないため、1日ごとの増減だけで良し悪しを決めるのは避けましょう。
学習期間中は検索語句とコンバージョン内容を確認し、不要な流入が多い場合は除外キーワードや広告グループ構成の見直しが必要です。

目標コンバージョン単価を使うタイミング

問い合わせ1件にかけられる費用の目安があるときは、目標コンバージョン単価が向いています。
過去の運用でCPAの実績があれば、目標値を置くことで広告費を管理しやすくなるためです。

一方、理想だけで低すぎる目標を入れると広告の表示機会が減る原因になります。
目標CPAを決める前に、平均クリック単価やコンバージョン率を確認しておきましょう。

最初は現実的な目標から始め、成果を見ながら少しずつ調整する進め方が無難です。
目標CPAを変更するときは一度に大きく動かさず、配信量への影響を見ながら段階的に調整します。

予算が限られている場合は、すべてのキーワードを同じ優先度で扱う必要はありません。
成果に近い検索語句へ広告費を寄せる設計にすると、限られた予算を問い合わせ獲得に使いやすくなります。

目標CPAを決めるときの注意点

目標CPAは、広告費を無理に削るための設定ではありません。
どのくらいの費用で、どのくらいの問い合わせを安定して獲得したいかを決める基準です。

たとえば過去のCPAが15,000円なら、最初から5,000円を狙うのではなく、少し低い金額から調整するほうが現実的です。
目標を厳しくしすぎると広告が表示される機会そのものが減り、問い合わせ数まで落ちることがあります。
単価だけを下げるのではなく、配信量と問い合わせ数のバランスを見ながら調整しましょう。

目標CPAを決めるときは、広告費だけでなく、問い合わせ後に売上へつながるかまで確認しておく必要があります。
次の表は、目標CPAを決める前に見ておきたい項目と確認すべき内容です。

確認する項目 何を見るか
1クリックあたりの費用 問い合わせ1件を獲得するまでに、どれくらい広告費がかかりそうか
問い合わせに進む割合 広告をクリックした人のうち、どれくらいが問い合わせまで進んでいるか
商談につながる割合 問い合わせのうち、営業対象になるものがどれくらいあるか
受注したときの金額 1件の受注に対して、広告費をどこまでかけられるか
使える月間予算 目標CPAに対して、十分な配信量を確保できるか

CPAだけを単独で見ると、費用の安い問い合わせを集める方向へ偏ることがあります。
広告費を抑えることだけでなく、利益につながる問い合わせを安定して獲得できるかを重視しましょう。

選んだ入札戦略で成果が出ないときの見直しポイント

選んだ入札戦略で成果が出ないときの見直しポイント

目的に合う入札戦略を選んでも、すぐに問い合わせや資料請求が増えるとは限りません。
成果が伸びない原因は入札戦略そのものではなく、キーワード、広告文、ランディングページ、コンバージョン計測に隠れていることもあります。

入札戦略を短期間で何度も変更すると、自動入札の学習が安定しにくくなることがあります。
変更前後の期間、予算、クリック数、コンバージョン数を比較しながら、どこに原因があるのかを確認することが大切です。
広告費をかけているのに商談や契約につながらない場合は、流入から問い合わせ後の対応まで一連の流れを確認する必要があります。

選んだ入札戦略を変える前に、まずは次のポイントを見直しましょう。

検索語句とキーワードを見直す

検索語句レポート

問い合わせや資料請求が増えないときは、検索語句レポートを確認します。
設定したキーワードと実際に広告が表示された語句がズレていると、成果につながりにくいクリックにも広告費が使われやすくなるためです。

相談意欲の低い情報収集語句ばかりに配信されると、クリック数は増えても問い合わせには結びつきにくくなります。
検索語句を確認するときは、実際に表示された語句の意図を見ながら除外する語句と強化する語句を判断しましょう。

検索語句の見直しでは、広告費をどの語句へ使うべきかを整理することが重要です。

見直すべき項目ごとにキーワード例と対応の考え方は以下です。

✓ 問い合わせにつながりにくい検索語句が出ていないか 「見積書 テンプレート」「自分で 修理」「やり方 動画」「無料 サンプル」など、情報収集だけで終わりやすい検索語句が多い場合は、成果につながっているか確認したうえで除外を検討する
✓ 商談や購入に近い検索語句で広告が表示されているか 「税理士 相談」「外壁塗装 見積もり」「英会話 体験」「中古車 買取」「家具 通販」「弁護士 相談」など、申し込みや問い合わせ、購入に近い検索語句で広告が表示されているか確認する
✓ 検索意図が具体的な検索語句を拾えているか 「塾 料金」「保険 見直し」「リフォーム 費用」「整体 予約」「法人研修 資料請求」「車 査定」など、条件や行動がはっきりした検索語句から成果が出ているか確認する
✓ マッチタイプを広げすぎていないか 「仕組み」「方法」「勉強法」「作り方」「トラブル」「意味」など、部分一致で情報収集目的の検索まで広がりすぎていないか確認し、必要に応じて除外キーワードを追加する
✓ 無料目的や採用目的の検索語句に広告費が流れていないか 「無料」「求人」「採用」「未経験」「年収」「アルバイト」など、サービス利用や購入につながらない語句は除外候補として整理する
✓ 比較目的の検索語句が成果につながっているか 「税理士 比較」「外壁塗装 口コミ」「英会話 おすすめ」「中古車 評判」「家具 口コミ」「弁護士 費用」など、比較中のユーザーをCPAや問い合わせ内容から評価する
✓ ブランド名検索と一般検索を同じ基準で評価していないか 「自社名」「サービス名」「商品名」を含む検索と、「税理士 相談」「外壁塗装 見積もり」「英会話 体験」「中古車 買取」などの一般検索では成果の出方が異なるため、別々に評価する

検索語句の見直しは、自動入札の学習データを整えるために欠かせない作業です。
質の低いクリックを減らすほど、広告費を問い合わせや購入に近いユーザーへ使いやすくなります。

広告文とランディングページを確認する

クリックはあるのに問い合わせが少ないときは、広告文とランディングページの内容にズレがないかを確認しましょう。
広告文で伝えた内容とリンク先ページの情報が合っていない場合、ユーザーは必要な情報を見つけられず離脱しやすくなります。

広告文では「どのような悩みに対応できるのか」を伝え、ランディングページでは料金、対応範囲、実績、問い合わせ方法などを確認できる状態にしておく必要があります。
入札戦略を変える前に、クリック後のページでユーザーが迷わず次の行動へ進めるかを見直しましょう。

ランディングページでは、広告文で作った期待に対して、ページ内の情報が不足していないかを確認します。
特に見ておきたい項目は次のとおりです。

✓ ファーストビューでサービス内容と対象者が伝わる
✓ 問い合わせや資料請求をしたい人が迷わずボタンやフォームを見つけられる
✓ 料金、実績、対応範囲など、比較に必要な情報が明記されている
✓ スマートフォンで見たときに、文字や画像、ボタンが小さすぎたり崩れたりせず表示される
✓ 広告文の訴求とページ内の内容が合っている

これらの項目にズレがあると、広告がクリックされてもコンバージョンにはなかなか結びつきません。
成果が伸びないからといってすぐに入札戦略を変えるのではなく、広告文とページ内容が同じ目的に向かっているかを先に確認しましょう。
質の低いクリックを減らすほど、広告費を問い合わせや購入に近いユーザーへ使いやすくなります。

問い合わせが売上につながっているか確認する

Google広告の管理画面では、「コンバージョン」や「コンバージョン単価」の列で、問い合わせ数やCPAを確認できます。
ただし、管理画面でわかるのはあくまで「問い合わせが何件発生したか」「1件あたりいくらかかったか」という数値です。

問い合わせが売上や契約につながりそうかは、管理画面だけでは判断できません。
同じ1件でも、予算が合わない相談と受注見込みの高い相談では、広告運用上の価値が異なります。

問い合わせ後の質を確認するには、営業担当者や問い合わせ対応の担当者から実際の状況を聞くことが重要です。
管理画面の数値と現場の評価を合わせるために、次の項目を確認しましょう。

商談につながった問い合わせ数
受注につながった問い合わせ内容
失注理由や予算感のズレ
問い合わせ時点での検討度合い
業界や地域ごとの成果差
問い合わせから初回返信までの時間
広告経由の顧客とその他経路の顧客の違い

確認した内容は、キーワードや広告文、コンバージョン設定の見直しにも活用できます。
件数だけでは判断しにくい差が見えてくるため、入札戦略を変える前の判断材料にもなります。

まとめ

Google広告の入札戦略は、限られた広告費をクリック、問い合わせ、売上など、どの成果へ優先して使うかを決める設定です。
クリック数、コンバージョン数、CPA、ROASのどれを重視するかによって選ぶべき入札戦略は変わります。

まずは、自社のキャンペーンが何を目的としているのかを整理することが大切です。
問い合わせや資料請求を増やしたい場合は、コンバージョン数の最大化や目標コンバージョン単価が候補になります。
売上や費用対効果を重視する場合は、コンバージョン値の最大化や目標ROASを選ぶ流れも考えられます。

ただし、入札戦略の名前だけで判断すると、コンバージョン設定のミスや予算不足、検索語句のズレを見落としかねません。
広告文、ランディングページ、問い合わせ後の商談化率まで確認すると、管理画面の数値だけでは見えない課題を把握しやすくなります。

Google広告は、設定を一度決めたら終わりではありません。
検索語句、予算、コンバージョン率、営業側の評価を確認しながら、目的に合う入札戦略へ調整していく必要があります。
まずは現在のキャンペーンで何を成果として計測しているのか、広告費をどの成果へ優先して使うべきかを整理しましょう。


広告費をかけているのに問い合わせや資料請求につながらず困っている方、入札戦略やコンバージョン計測を見直したい方は、株式会社トモシビがお手伝い致します。
ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人
株式会社トモシビ 石本憲貴
株式会社トモシビ 石本憲貴

WACA認定 ウェブ解析士マスター / AJSA認定 SEOコンサルタント
デジタル庁 デジタル推進委員
京都医健専門学校 スポーツマネジメントテクノロジー科 非常勤講師
大阪リゾート&スポーツ専門学校 スポーツITトレーナー科 非常勤講師

1987年生まれ。関西大学法学部法律学科卒業。
大学在学中、独学でWEBサイト制作 / プログラミング / WEBマーケティングを学ぶ。
大学卒業後、成果を上げる事に徹底的にこだわった「WEBコンサルティング会社」を設立
2020年に「株式会社トモシビ」を設立。『「勝てるWEB戦略」をモットーにしたコンサルティング業』として、アクセス解析/SEO対策/ウェブサイト・LP制作/広告運用など、これまでで240社以上の支援実績。現場の最前線で実作業もこなす現役プレーヤーとして活躍中。
WEBマーケティング、Google Analytics の活用法を教える企業研修・セミナーなどの『講師活動』をこれまで250回以上実施。

【著書一覧】
1. ウェブ解析スペシャリストが教える! 稼ぐサイトをつくる「7つの秘訣」(セルバ出版)
2. 現場で使える Googleタグマネージャー実践入門(マイナビ出版)
3. 1週間でGoogleアナリティクス4の基礎が学べる本(インプレス社)
4. Googleデータポータルによるレポート作成の教科書(マイナビ出版)
5. 自社サイトをコストで終わらせないために ウェブ解析士の事例発表集(31)(Kindle)
6. 自社サイトをコストで終わらせないために ウェブ解析士の事例発表集(37)(Kindle)
7. 自社サイトをコストで終わらせないために ウェブ解析士の事例発表集(51)(Kindle)
8. 自社サイトをコストで終わらせないために ウェブ解析士の事例発表集(57)(Kindle)

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