自社でSEO対策を進める際は、施策の順序と成果の見方を決めておくことが必要です。
現状分析から改善後の検証までを一連の取り組みとして捉えると、各工程で判断すべき内容が明確になります。
この記事では、自社サイトでSEO対策を進める手順と、検索流入の変化を改善へつなげる考え方を解説します。
SEO対策の基本と進め方の全体像
SEO対策は、課題が生じている領域によって取るべき対応が異なります。
検索エンジンがページを処理する工程と結び付けて考えることが大切です。
この章では、検索結果に反映される過程と施策の役割を基準に、SEO対策の全体像を解説します。
検索エンジンがページを発見・登録・評価する仕組み
検索エンジンは、WEB上に公開されたページをすぐに検索結果へ表示できるわけではありません。
ページを発見して内容を取得した後、検索用のデータベースへ登録し、検索クエリに応じて表示順を決めます。
クロールされていない場合は、URLが発見されているか、クロールを妨げる設定がないかを見直しましょう。
クロール済みでもインデックス登録されていない場合は、noindexやcanonicalの設定、重複ページの判定が影響していないかを調べます。
用語メモ
(クローラーに対して)Webサイト内のどのページのクロールを許可・制限するかを指示するためのテキストファイルのこと
(クローラーに対して)そのページをインデックス登録させないように指示するための設定のこと
SEO対策では、問題が生じている工程を特定し、その原因に対応する施策を選ぶことが大切です。
コンテンツ・内部・外部・テクニカルSEOの役割
SEO対策は、主に四つの領域へ分けて考えます。
各領域が対象とする問題は次のとおりです。
| 領域 | 主な役割 | 生じうる課題 |
| コンテンツSEO | 検索意図に合う情報を設計・作成する | 回答不足、情報の古さ、独自性不足 |
| 内部SEO | ページ同士の関係とサイト内の導線を整える | 階層の不整合、内部リンク不足、重要ページの孤立 |
| 外部SEO | 外部サイトから参照・言及される関係を形成する | 被リンクやサイテーションにつながる情報が不足している |
| テクニカルSEO | 検索エンジンがページを取得・解析・登録できる技術条件を整える | クロールの阻害、インデックス制御の不備、重複URLの扱い |
用語メモ
他のWebサイトから自社のWebサイトに向けて設置されたリンクのこと
他のWebサイトやSNSなどで、自社のサイト名やブランド名などがリンクを伴わずにテキストで言及されること
四つは、互いに代替できる施策ではありません。
施策を選ぶ際は、課題が属する領域を取り違えないことが重要です。
成果が現れるまでの期間と評価単位
SEO対策を行ってから成果が出るまでの期間は、施策によって異なります。
変更内容が再クロールされ、インデックスへ反映された後に成果を判定するのが基本です。
ページに変更を加えてから再クロールには数日から数週間かかることがあり、検索結果へ影響が現れるまでの時間は数時間から数か月と幅があります。
以下は、変更した内容と変更後の数値を比較する時期の例です。
| 変更した内容 | 評価単位 | 変更後の数値を比較する時期 |
| 1ページの本文やタイトルの修正 | URL単位 | 対象URLが再クロールされ、変更内容がインデックスへ反映された後 |
| 特定の検索クエリに合わせた内容の修正 | URLと検索クエリの組み合わせ | 対象URLへの変更が反映され、対象クエリのデータが蓄積してから |
| カテゴリや内部リンクなど複数ページに及ぶ変更 | 影響を受けるページ群 | 対象となるURL群の再クロールと変更内容の反映が進んだ後 |
複数のページを同時に変更した場合、すべてのページが同じタイミングで検索エンジンに更新されるわけではありません。
そのため、決まった期間だけ待つのではなく、変更した複数のページが検索結果に反映されたかを確認しながら効果測定を行うことが大切です。
SEO対策のやり方を決める現状分析と目標設定
SEO対策の進め方は、現状と目標の差から決めます。
検索流入が少ないページと、流入後にコンバージョンへつながらないページでは改善の方向が異なるためです。
この章では、現在の数値と事業目標を結び付け、成果への影響と実施工数から優先順位を定める考え方を解説します。
現状の検索流入・順位・コンバージョン
現状は検索結果での露出から捉え、サイトへの流入とコンバージョンまで順に追います。
順位だけを見ても、検索流入が増えない原因までは分かりません。
表示回数やクリック率を組み合わせると、数値が落ちている箇所を特定できます。
現在地を捉える際に参照する数値は次のとおりです。
| 調べる段階 | 主な数値 | 数値から読み取れること |
|---|---|---|
| 検索結果での露出 | 表示回数・平均掲載順位 | ページが検索結果へ表示された回数と掲載位置 |
| 検索結果からの流入 | クリック数・クリック率 | 検索結果から得た訪問数と、表示回数に対するクリックの割合 |
| 訪問後の成果 | コンバージョン数・コンバージョン率 | 検索流入から得た成果数と、訪問数に対する成果の割合 |
数値を比べる期間は同じ長さにそろえ、季節による需要の変化も考慮します。
直近の数値が下がっていても、前年の同じ時期より増えていれば、長期的な傾向は別です。
指名検索と一般的な検索クエリをまとめると、SEO施策による変化を読み誤ります。
現状分析では順位の上下だけでなく、検索結果の表示からコンバージョンまでのどこで数値が落ちているかを捉えることが重要です。
SEOで追うKPIと事業成果の関係
SEOのKPIは、問い合わせ数や売上などの事業目標から逆算した数値です。
検索順位やクリック数だけを目標にすると、検索流入が増えても事業成果へ結び付かない施策を続けるおそれがあります。
事業目標からSEOのKPIへつなげる順序は次のとおりです。
| 目標の段階 | 問い合わせ獲得で追う数値 | 商品購入で追う数値 |
|---|---|---|
| 事業成果 | 受注数・売上 | 売上・購入件数 |
| コンバージョン | 有効問い合わせ数 | 購入数 |
| 検索流入 | クリック数 | クリック数 |
| 検索結果での露出 | 表示回数 | 表示回数 |
問い合わせ獲得では、過去の受注率を用いて受注目標から必要な有効問い合わせ数へつなげます。
商品購入では、売上目標を平均購入額で割った購入数がコンバージョン目標です。
必要なコンバージョン数から検索流入目標へつなぐ割合はコンバージョン率で、検索流入目標から表示回数へ進む割合はクリック率です。
各割合には、同じ対象と期間の実績を用いる必要があります。
KPIでは、事業目標から検索結果での露出までの段階が、同じ対象と期間でつながっていることが重要です。
優先して改善するページ
改善するページは数値が悪い順ではなく、改善後に得られる変化の大きさで選びます。
検索流入が少なくても事業との関連が低いページは、優先して修正しても成果につながりません。
ページごとの優先度は、事業成果とのつながりと検索流入の改善余地を分けて比べると明確です。
優先度を比べる際に参照する内容は次のとおりです。
| 優先度を比べる観点 | 参照する情報 | 優先度が上がる状態 |
|---|---|---|
| 事業成果とのつながり | ページ経由のコンバージョン数・コンバージョン率 | 問い合わせや購入につなぐ役割を持ち、コンバージョンへの貢献が大きい |
| 検索流入の改善余地 | 表示回数・平均掲載順位・クリック率 | 表示回数が多く、順位またはクリック率の改善で流入増加を見込める |
| データの蓄積状況 | 同じ長さの比較期間における表示回数・クリック数 | 季節要因をそろえた期間で、一時的な変動を除いて傾向を読み取れる |
表示回数が多いページでは、順位やクリック率の改善が検索流入の増加につながります。
問い合わせや購入を担うページは、コンバージョン率の変化が事業成果に直結するため、優先度を上げる対象です。
他のページとの優先度を比べるのは、同じ長さの期間で表示回数とクリック数を集計し、季節要因や一時的な変動を除いて傾向を読める時点からです。
優先するページは、事業成果へのつながりと改善余地を、同じ期間のデータで比べて決める必要があります。
成果への影響度と実施工数
施策の実行順は、成果への影響度と実施工数の組み合わせで決まります。
成果への影響度として扱うのは、改善後に増えると見込むクリック数またはコンバージョン数です。
施策間の比較では、目的と対象期間をそろえたうえで、同じ成果指標の増加幅を用います。
実施工数には、対象URL数と作業時間のほか、社内調整やシステム変更にかかる負担を含めます。
二つの軸を組み合わせた実行順は次のとおりです。
| 成果への影響 | 実施工数 | 優先度 | 進め方 |
|---|---|---|---|
| 大きい | 少ない | 最優先 | 早い段階で実施する |
| 大きい | 多い | 高い | 作業を分けて計画的に進める |
| 小さい | 少ない | 低い | 優先度の高い施策の後に進める |
| 小さい | 多い | 最も低い | 実施の必要性を見直す |
工数を見積もる際は、修正するURLの数だけで決めないでください。
システム変更や社内調整が必要な施策は、1ページの修正でも実施までに時間を要します。
一方、複数ページへ同じ修正を適用できる施策では、対象数が多くても1ページあたりの作業量を抑えられます。
実行順を決める際は、成果指標の増加幅と実施工数を同じ対象期間で比べることが基本です。



