
インターネットで何かを調べるとき、多くの人が検索エンジンを使いますよね。
ところが最近、その検索結果にまぎれて悪質なサイトが表示されるケースが増えています。
これは「SEOポイズニング」という不正な手口によるものです。
見た目は普通のサイトでも、クリックするとウイルスが仕込まれていたり、個人情報を盗まれたりすることもあります。
この記事では、そんなSEOポイズニングの仕組みや具体的な対策方法を、初心者の方にもわかるようにやさしく解説します。
SEOポイズニングとは?検索結果を悪用する手口を解説

検索結果が悪用されるってどういうこと?
Googleなどの検索エンジンで調べたときに表示されるページの中に、悪質なWebサイトがまぎれこんでいることがあります。
本来なら、検索結果には役立つページが表示されるはずですが、SEOポイズニングによって、不正に作られたページが上位に表示されてしまうのです。
たとえば「無料ダウンロード」や「人気アプリ名」などを検索したときに、一見ふつうの情報サイトのように見えるページが表示されることがあります。
しかしクリックしてみると、偽のアプリをダウンロードさせようとしたり、個人情報を入力させる仕組みになっていたりします。
これは検索結果を信じてクリックしたユーザーをだまして別の目的地に誘導するという、非常に悪質な攻撃です。
SEOポイズニングの名前の由来
「SEOポイズニング」という言葉は、検索エンジン最適化(SEO:Search Engine Optimization)と毒を盛る(Poisoning)という2つの言葉を組み合わせたものです。
本来、SEOはWebサイトを検索結果の上位に表示させるための正しい方法ですが、攻撃者はこれを悪用して検索結果を“汚染”します。
つまり「検索結果に毒を盛る」という意味で、「SEOポイズニング」と呼ばれているのです。
この名前には、通常は役に立つ技術を悪意ある方法で利用しているという皮肉も込められています。
攻撃者はなぜこんなことをするのか
攻撃者の目的は、金銭を得ることや情報を盗むことです。
SEOポイズニングを使って、検索上位に自分たちの悪質なWebサイトを表示させることで、より多くの人にアクセスさせることができます。
主な目的は以下の通りです:
- 広告収入:偽サイトに表示した広告をクリックさせ、広告費を不正に得る
- マルウェア感染:クリックしたユーザーの端末にウイルスをインストール
- 個人情報の取得:ログイン画面や入力フォームを偽装して情報を盗む
- 金銭詐取:架空の請求やフィッシングサイトへの誘導
検索結果を信じてクリックする心理を逆手に取った攻撃であり、クリックされることが前提なので、SEOのテクニックを悪用して上位表示を狙ってきます。
検索エンジンがだまされる仕組み
検索エンジンはWeb上のページを自動で収集し、どのページが有益かを判断して順位をつけています。
多くのページが、どの検索ワードに対してどんな内容が合っているかを分析されているのです。
攻撃者は、次のような手法を使って検索エンジンをだまします:
- 人気のあるビッグキーワードやロングテールキーワードを大量に含めたページを用意する
検索ワードと関連があるように見せることで、検索エンジンに「関連性が高いページ」と思わせる - 正規のサイトからリンクを貼られたように見せる(リンク操作)
外部リンクが多いと評価されやすい仕組みを逆手に取る - ユーザーが検索しそうなフレーズを埋め込んだ偽ブログ記事を大量に作る
数を武器に検索結果の上位を埋め尽くす - 正規のWebサイトを乗っ取って悪質なコードを埋め込む
検索エンジンから見れば信頼のあるサイトでも、裏側では危険なサイトになっている
このような仕掛けにより、本来なら上位に出てこないページが不正に表示されるのです。
気づかないうちに被害を受ける理由
SEOポイズニングによる被害は、クリックした瞬間には気づかないことが多いのが特徴です。
見た目が整っていても、裏ではマルウェアのダウンロードが始まっていたり、偽のログインフォームでパスワードを抜き取られていたりします。
被害に気づきにくい理由には以下があります:
- ページの見た目が本物そっくり
本物の通販サイトやニュースサイトに似せて作られているため違和感がない - 操作後にすぐに影響が出ない
ウイルスが仕込まれていても、すぐに端末に異常が出るとは限らない - 警告メッセージが表示されない
ブラウザやセキュリティソフトが検知できないこともある - 知らないうちに複数のサイトにリダイレクトされる
何度かジャンプさせて、最終的に目的の詐欺ページにたどり着く - 自分の情報が盗まれたことに後から気づく
SNSや銀行口座の不正ログイン、ネット通販でのなりすましなどが起きてようやく判明する
「いつも使っている検索エンジンだから安心」と思って油断してしまうことが、被害を広げる原因になっています。
被害事例から見るSEOポイズニングの特徴と仕組み

実際に起きた被害のケース
SEOポイズニングによる被害は、個人から企業まで幅広く影響を受ける深刻な問題です。
たとえば、あるニュース系サイトが検索結果で上位表示されていたにもかかわらず、クリックすると不正なサイトにリダイレクトされるようになっていた事例があります。
このサイトは、攻撃者に内部のファイルを書き換えられていたのですが、見た目はまったく変わっておらず、長期間気づかれませんでした。
他にも、大手企業のキャンペーン名を使ったロングテールキーワードで検索したときに、まったく関係のない偽サイトが上位に表示され
そこからウイルス感染やフィッシング被害が発生したケースも報告されています。
また、以下のような被害も確認されています
- セキュリティソフトのダウンロードを装ったウイルス感染サイトへの誘導
- 商品レビューサイトを装い、偽のショッピングサイトへ誘導
- クラウドサービス名を使った検索からフィッシングページへ誘導
見た目が本物そっくりのため、多くの人が疑いなくアクセスしてしまう点が、SEOポイズニングの恐ろしさです。
よく狙われるサイトの共通点
攻撃者は無作為に狙うわけではなく、狙いやすく、効果が大きいサイトを選んで攻撃します。
特に以下のような特徴を持つWebサイトはターゲットになりやすいです。
- セキュリティ更新が滞っているサイト
古いCMSやプラグインを使っていると、脆弱性が狙われやすい - アクセス数が多く、検索順位が高いサイト
表示回数が多ければ、その分被害者も増える - 専門性の高い情報を扱っているサイト
ユーザーが内容を信頼しやすいため、誘導しやすい - SSLなどの基本的なセキュリティ対策が不十分なサイト
データの改ざんや盗聴が行われやすい - 運営体制が小規模な個人サイトや中小企業のWebサイト
攻撃に気づきにくく、防御が難しい
セキュリティに対する意識の低さが、攻撃者にとっての“入り口”になります。
検索結果に不正なサイトが入り込む流れ
SEOポイズニングを実現するにはいくつかの手順があります。
- 攻撃者が大量の偽ページを作成する
ニュース記事風、商品レビュー風、専門解説風など、さまざまな形式で用意する - 大量のキーワードをページに含める
特に検索回数の多いビッグキーワードや、ロングテールキーワードを組み合わせて、検索エンジンに「関連性の高いページ」と認識させる - 他サイトからのリンクを操作する
攻撃者が用意した他のサイトや乗っ取ったサイトからリンクを集めることで「人気がある」と見せかける - 一時的に検索エンジンに認識させ、上位表示を狙う
短期間でも上位に出れば、多くのユーザーを誘導できる
これにより、本来表示されるべき安全なページの代わりに、不正なページが表示されてしまうのです。
被害にあいやすいユーザーの行動パターン
どのようなユーザーでもSEOポイズニングの被害にあう可能性はありますが、特定の行動パターンを取る人は特に危険です。
- 検索結果の上から順にクリックする
一番上にある=安全だと勘違いしやすい - 広告とオーガニック検索の区別がついていない
表示位置だけで判断してしまう - あまり調べずにリンクを踏む
急いでいるときなどに注意が散漫になる - 普段使わないジャンルの情報を検索している
慣れていない情報ほど偽ページを見抜きにくい - セキュリティソフトを使っていない、もしくは古いバージョンを使っている
不正なページを検知できず、クリックしても警告が出ない
「検索エンジンに出ているから安心」と思い込んでいると、見抜けずに被害にあってしまうリスクが高くなります。
攻撃者が使うテクニックとは
SEOポイズニングは、検索アルゴリズムのスキをついた高度なテクニックで行われます。
以下のような手法が確認されています。
- キーワードスパム
無関係なキーワードをページ内に大量に埋め込むことで、検索エンジンの評価を得ようとする - クローキング
検索エンジンには無害なページを見せ、ユーザーにはまったく別の不正ページを表示する - 乗っ取りリンクの設置
他人のWebサイトにこっそり不正なリンクを埋め込む - 自動生成コンテンツ
AIなどを使って、検索エンジン向けに大量の偽コンテンツを短期間で作り出す - 短期間のドメイン利用
使い捨てのドメインで一時的に上位を取ることで、対策が追いつく前にユーザーを誘導する
これらの手法は、すべて検索エンジンの“弱点”を突いた行動であり、ユーザーが気づくのは非常に困難です。
サイト運営者が注意すべきマルウェアの誘導方法とは

マルウェアってそもそも何?
マルウェア(Malware)とは、「悪意のあるソフト」の総称で、パソコンやスマホなどの機器に被害を与えるプログラムのことです。
感染すると、情報を盗まれたり、操作できなくなったりする危険があります。
マルウェアにはさまざまな種類があります。
- ウイルス:他のファイルに寄生し、広がる性質を持つ
- スパイウェア:ユーザーの操作や情報を密かに記録する
- ランサムウェア:ファイルを暗号化して「元に戻したければ金を払え」と脅す
- トロイの木馬:無害なファイルのように見せかけて侵入し、裏で不正な動きをする
- ワーム:ネットワークを通じて自動的に拡散する
どれも見ただけでは区別がつかないため、気づかないうちに感染していることもあります。
偽のリンクに誘導する代表的な手口
マルウェアは、ユーザーをだましてクリックさせることで拡散されます。
特に偽リンクによる誘導は非常に多く、以下のような形で仕掛けられています。
- 正規サイトを装ったURL
本物と見分けがつかない文字列で構成されている - 画像やバナー広告に仕込まれたリンク
一見普通の広告だが、クリックで感染する - 人気ワードを使ったリンク付き記事
検索で上位表示されるようSEOを悪用して仕組まれている - 「今すぐダウンロード」など急かす表現のあるボタン
焦らせることで警戒心を下げる
本物と見分けにくいデザインや言葉づかいを使うことで、ユーザーに不信感を与えずに誘導してくるのが特徴です。
なぜ「安全そうなサイト」が危険になるのか
「このサイトなら安心」と思っていたWebサイトが、ある日突然危険なページになっていたということも珍しくありません。
これは、攻撃者がサイト自体を乗っ取ったり、外部からコードを埋め込んだりして不正に改ざんしているためです。
以下のような原因で、信頼されていたサイトが危険なページに変わることがあります。
- 古いCMS(WordPressなど)の脆弱性が悪用される
更新を怠ると、攻撃者に侵入されやすくなる - 第三者が提供する外部スクリプトが改ざんされる
広告配信サービスなどを経由して悪質なコードが読み込まれる - 管理画面への不正アクセスによる書き換え
パスワードの使い回しや設定ミスが原因で侵入される
一見「安全そうなサイト」であっても、見えないところで攻撃の拠点として悪用されている可能性があります。
ユーザーがうっかりクリックしてしまう理由
攻撃者は、人間の心理を巧みに利用して“うっかり”を誘う仕掛けを使います。
特に以下のような状況では、多くのユーザーが油断しやすくなります。
- 興味を引くタイトルや画像がある
有名人のゴシップ、プレゼントキャンペーン、限定情報など - 画面が本物そっくりに作られている
企業ロゴやUIが似ていると信用してしまう - 「今だけ」「残りわずか」など焦らせる言葉がある
冷静な判断力を奪われる - 「ウイルスが検出されました」と偽の警告が表示される
すぐ対応しないと危険だと信じてしまう - 長時間の調査や比較に疲れて注意が散る
選ぶのが面倒になってしまい、最初のページで決めてしまう
誰でもミスをすることはありますが、それを意図的に引き起こすように作られているのがSEOポイズニングを含むマルウェア誘導の手口です。
リンクを踏んだ後に起きること
一度リンクをクリックしてしまうと、すぐに影響が出るとは限らないのがマルウェアの怖いところです。
気づかないうちに情報が抜かれたり、操作が制限されたりする場合があります。
リンクを踏んだあとに起きる主な被害は次のとおりです:
- 個人情報が外部に送信される:入力フォームに打ち込んだ情報がそのまま盗まれる
- 不正なファイルが自動的にダウンロードされる:裏でプログラムが動いて感染する
- スマホやパソコンの操作が遅くなる・止まる:ランサムウェアにより暗号化されることもある
- 勝手に別のサイトへ転送される:クリックとは関係ないWebサイトに飛ばされる
- ネットバンキングなどで不正利用される:ブラウザに情報を記録する仕組みが悪用される
リンクをクリックした瞬間にすべてが始まるわけではないため、被害が進んでから気づくことが多く、対処が遅れる傾向があります。
参照リンク:
詐欺サイトとの違いと偽情報に誘導されるリスク

SEOポイズニングと詐欺サイトの違い
SEOポイズニングと詐欺サイトは混同されがちですが、目的と手段が異なります。
SEOポイズニングは「検索結果を操作する仕掛け」、詐欺サイトは「ユーザーをだまして情報を盗む実行ページ」という違いがあります。
SEOポイズニングは、攻撃者が不正に作ったサイトを検索上位に表示させる仕掛けです。
ページの内容やリンク構造を調整し、Googleなどの検索エンジンに「このページは有益だ」と偽の評価を与えることで、ユーザーのクリックを誘導します。
一方で詐欺サイトは、その誘導先でユーザーをだますことに特化しています。
デザインや文章が本物そっくりに作られており、入力フォームやダウンロードボタンで情報を盗んだりマルウェアを仕込んだりするのが主な目的です。
両者はセットで使われることが多く、片方だけを防いでも不十分です。
検索で見つかる偽サイトの見分け方
偽サイトは本物のサイトと非常に似ていることが多く、一見しただけでは見抜くのが難しいのが現実です。
しかし、いくつかの特徴を知っていれば、見分ける手がかりになります。
- URLが不自然:本物と似ているが、一部に余計な単語や数字が混じっている
- ドメインが一般的でない:.xyz、.top、.clickなど、信頼性の低いドメインを使っている
- サイトの表示が遅い、エラーが出る:信頼性のあるサイトではあまり起こらない挙動
- 会社概要やお問い合わせページがない:信頼できる企業であれば、連絡先が明記されている
- 文法や表現が不自然:機械翻訳されたような日本語になっていることがある
本物そっくりなデザインやロゴに惑わされず、細部まで確認する意識が必要です。
ニセ情報にだまされるパターンとは
偽情報にだまされる背景には、人の心理を突く工夫が隠れています。
信じ込ませるために、内容や演出が巧妙に設計されているのです。
- 「大手メディアでも話題」など信頼を装う記述がある
実在しないメディア名やロゴを使うことも - 「医師もおすすめ」といった権威のある肩書きを並べる
実際には存在しない人物を使う場合がある - 口コミやレビューがやたらと高評価ばかり
不自然なほど一方的な内容になっている - 期間限定・残りわずかなど、焦らせる文言が多い
考える時間を奪い、判断力を鈍らせる - 写真やグラフが多用され、内容が薄い
本質的な説明より見た目で信頼させようとする
事実確認ができない情報を安易に信じることで、結果的に詐欺サイトへの誘導に気づけなくなってしまうのが特徴です。
偽サイトで個人情報を入力するとどうなるか
偽サイトに入力してしまった個人情報は、攻撃者にそのまま渡ると考えてください。
入力内容はデータベースに保存され、悪用される可能性が非常に高いです。
- クレジットカード情報:不正利用や転売の被害にあう可能性がある
- メールアドレスや電話番号:迷惑メールや詐欺電話が急増する原因になる
- ログインIDやパスワード:他のサービスへの不正ログイン(パスワード使い回し時に特に危険)
- 住所や氏名:なりすましの被害につながる可能性がある
一度渡ってしまった情報は取り戻せないため、入力前にそのサイトが本物かどうかを確認する習慣がとても大切です。
被害を避けるために意識するポイント
偽情報や詐欺サイトによる被害を避けるためには、自分の判断力を高める習慣を持つことが重要です。
以下のようなポイントを意識すると、被害のリスクを大きく減らすことができます。
- 検索結果だけを信用しない
一番上に出ているからといって、安全とは限らない - 不審なURLはクリックしない
クリック前にURLをよく確認する - セキュリティソフトを常に最新に保つ
新しい攻撃手口にも対応できる状態にしておく - 個人情報の入力は「https」のついた安全なページでのみ行う
SSL対応されていないサイトは信用しない - 本当にその会社が運営しているかを公式情報で確認する
公式SNSやGoogleマップなどの情報も活用する
一人ひとりの意識と行動が、詐欺サイトから身を守る最大の武器になります。
SEOポイズニング対策の基本と実施方法

まずやるべき基本の対策とは
SEOポイズニングを防ぐためには、Webサイトの安全性を保つことが最優先です。
検索結果の操作だけでなく、ユーザーを偽ページに誘導するマルウェアやスパムの拡散が目的になるため、Webサイトそのもののセキュリティ強化が欠かせません。
基本的に取り組むべき対策は以下のとおりです:
- CMSやプラグインは常に最新バージョンに更新する
古いバージョンは脆弱性が見つかりやすく、攻撃対象になりやすい - 強力なパスワードを設定し、定期的に変更する
英数字と記号を組み合わせ、使い回しを避ける - WebサイトにSSL(https)を導入する
暗号化通信により、盗聴やデータ改ざんを防ぐ - 定期的にバックアップを取る
万が一改ざんされても、元の状態に戻せるようにしておく - 信頼できるホスティング会社を選ぶ
セキュリティ体制が整っている会社であれば、被害の拡大を防ぎやすい
すべての対策が難しく感じる場合でも、まずは「更新」と「バックアップ」の2つから始めることが大切です。
セキュリティチェックを定期的に行う理由
SEOポイズニングの被害は、見た目ではわかりにくく、長期間放置されてしまうことも多いです。
そのため、定期的なチェックが非常に重要になります。
サイトの状態を確認することで、以下のような変化に気づくことができます:
- 不自然なリンクが増えていないか
- 意図しないリダイレクトが発生していないか
- ファイルが勝手に書き換えられていないか
- Google検索で不審なタイトルや説明文が表示されていないか
これらはすべて、自動で検知されることは少なく、手動チェックが基本です。
- Google Search Consoleの「セキュリティの問題」タブを確認する
不正なコンテンツがあれば通知される - 「site:ドメイン名」でGoogle検索し、見覚えのないページが出てこないかを確認する
知らないページが上位にあれば要注意 - ファイルの最終更新日をチェックする
意図しない変更があれば不正アクセスの可能性がある
定期的な確認作業を「月に1回」でも実施することが、被害の早期発見につながります。
不審なリンクやページの見つけ方
攻撃者は、検索上位に自分たちのページを表示させるために、他人のWebサイトに不正なリンクを埋め込むことがあります。
それにより、あなたのサイトが知らないうちに加害者側に加担してしまうケースもあります。
自分のサイトに不審なリンクがないか確認するポイントは以下の通りです:
- HTMLソースコードを定期的に確認する
特に<footer>
や<head>
に見覚えのないコードが埋まっていないかチェックする - リンク切れチェックツールを使う
Broken Link Checkerなどを利用すると、外部リンクの一覧が出てきて不正なURLに気づける - Googleで「site:自分のドメイン + 激安」などの怪しい単語で検索する
スパムサイトに仕立て上げられていれば、この方法で見つかることがある - 画像や広告が勝手に表示されていないか確認する
不正広告が挿入されている場合、外部JavaScript経由でリンクが仕込まれている可能性がある
知らないページがGoogle検索に出ていたら、そのURLは必ず確認し、怪しければ即座に対応が必要です。
自分のサイトが攻撃されていないか確認する方法
サイトがSEOポイズニングの被害を受けているかどうかは、第三者視点で確認するのが効果的です。{
以下のようなツールや方法で、サイトの状態を客観的にチェックできます。
- Google Search Console
Googleが異常を検知した場合はここに表示される - 「VirusTotal」(https://www.virustotal.com)でURLをスキャンする
さまざまなウイルス対策エンジンで安全性を確認できる - 「Sucuri SiteCheck」(https://sitecheck.sucuri.net/)を使う
不正なコードやブラックリスト入りをチェック可能 - ページ読み込み時に別サイトへ転送されないかを自分で確認する
特定のブラウザや地域でのみリダイレクトされる場合もあるため、複数端末でテストする
放置しておくと検索結果から除外される恐れもあるため、確認作業は定期的に行うべきです。
外部のセキュリティサービスを活用する手も
自社で常にセキュリティを管理するのが難しい場合は、外部のセキュリティサービスを活用するのも有効です。
専用の監視ツールや運用支援を利用することで、24時間体制で異常を検知できるようになります。
代表的な外部サービスの一例:
- Cloudflare:DDoS攻撃や不正アクセスを防ぎ、Webサイトの通信を保護する
- Kaspersky Web Security:Webサイトをマルウェアやウイルスから守るフィルター機能がある
- Trend Micro Web Security:不正なコンテンツの監視と自動ブロックを提供する
- Lanscope エンドポイント監視:サイトの改ざんや通信状況を社内ネットワーク全体で管理できる
費用はかかりますが、人手による管理と比べて安定したセキュリティ体制を維持しやすいため、攻撃のリスクが高いサイトでは導入を検討する価値があります。
まとめ
SEOポイズニングは、検索結果を悪用してユーザーを偽のサイトに誘導する危険な手口です。見た目は普通のサイトでも、クリックするとウイルスに感染したり、個人情報を盗まれたりすることがあります。
しかも、検索エンジンで上位に表示されているからといって安全とは限らないという点が、特に注意すべきポイントです。
自分のWebサイトが知らないうちに攻撃に使われていたり、ユーザーとしてだまされて被害にあったりすることもあります。
サイトを守るには、日ごろの更新・確認・バックアップが基本です。
また、不審なリンクに注意する習慣や、正しい情報を見抜く力もとても大切です。
もし自分で対策が難しいと感じたら、セキュリティの専門チームや外部サービスを利用するのもひとつの方法です。
小さなサイトでも狙われることは十分にあるので、「自分は関係ない」と思わずに、今できる対策をひとつずつ実践することが、被害を防ぐ第一歩になります。